「……栗田…?」
さっきまで声を荒げていた彼は、急に小さくなった。
その理由はきっと、あたしがボロボロ泣き出したから。
あなたの前だと、絡まっていた糸が、すぐに元通りになる。
またあたしは、あなたの前で泣くんだ…。
さっきまで死のうとしていたのに、今になって
“死”が怖くなった。
「怖い…!っ怖い!!」
あたしは頭を抱えながらそう叫んだ。
そんなあたしを緒川くんは、意味が分からない、という顔で見てる。
…うん。
あたしも、意味が分からない。
もう、なにもかも。
絡まっていた糸がほどけた瞬間、あたしの何かが壊れたの。



