そして、体が、ふわりと浮かんだ。
――ドサッ
とあたしはコンクリートの上に倒れ込んだ。
「っはァ…はぁ…!!」
頭上から、荒い息遣いが聞こえた。
「お、がわ、くん…」
もう、ホントに、勘弁して…。
あたしを、助けないでよ。
「お前…!何考えてんだよ!!!」
そう言いながら、緒川くんはあたしの肩を揺すった。
ぼんやりした頭で、あたしがどうやって助かったのか考えた。
あぁ、そうか。
緒川くんが、あたしの体を持ち上げてくれたんだ。
その細い腕で…。
そう思いながら、あたしは緒川くんの腕に触れた。
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