…まさか、嘘でしょう? 「んだよ、これ!!」 よく耳に通る、低い声。 あたしは声の主を確認するために、下を向いた。 「なんでケータイが降ってくるわけ?」 頭を摩りながら、彼は上を見上げた。 目が、あった。 その瞬間、彼の表情が曇った。 「……栗、田?」 大きく目を見開いて、彼は真っ青になった。 「な、何やってんだよ!!やめろ!」 そんなに大きな声で叫ばないで。 あなたの声は、大きくあたしの胸に響くから。