でも、その手を止めた。 …やめよ……。 声は聞きたいけど、その声を聞いてしまったら、あたしはすべてを話してしまう…。 そう思ったあたしは、布団に潜って、眠りについた。 「…行ってきます」 今の時間は、朝の6時半。 あたしはいつもより早く家を出た。 なんていうか…この季節の朝は寒い。 だからあたしは、コートを着て家を出た。 辺りは霧がかかっていて遠くが見えない。