「――麗紀!?どうしたの!!具合悪いの!?」 やっとの思いで家についたあたしは、玄関でうずくまった。 頭は痛い。 視界がかすむ。 吐き気がする。 体が、言う事を聞いてくれない。 「あ、あなた!麗紀が…!!」 「だ、いじょうぶ……だから…」 喉が乾いて、声が出ない。 「待ってろ!今、救急車呼ぶから!!」 やめて、行きたくない。 あんなところに、連れて行かないで…! 「――やめて!!」 今残っている力を振り絞って、叫んだ。