でも、すぐにいつもの笑顔に戻った。
…これは、美歌のクセ。
悲しいときとか、不安なときとかに、美歌はその感情を隠すように笑顔になる。
だからきっと美歌は今、悲しいんだと思う。
あたしが何かを隠していることに、気づいてるから…。
「そんな!、あたしこそ疑ってごめんね!さ、帰ろ!あ~~寒い!!」
美歌は腕を摩りながら、歩き出した。
「あ、そうだ!あのね今日、麗紀いなかったでしょ?」
「え、あ、うん」
そうだ、あたし今日学校をサボったんだった。
「でね、和也くんもいなかったんだよ!」
――ギクッ
驚いたせいか、なぜか手に力が入った。
「へ、へぇ~そうなんだ…。偶然だね」
「ね!ふふ、2人気が合うんじゃない?」
そう言いながら美歌はいたずらっ子みたいな顔をして、こっちに振り返った。



