そう、誰も悪くない。




あたしは、モヤモヤしたこの気持ちをどこかに捨てたくて、思い切り部屋の窓を開けた。



「……わ…」



窓を開けた瞬間、鼻にツンとくる冷たい風が部屋に入ってきた。



窓から身を乗り出して、空を見た。



キラキラした星が、暗い夜空に散らばっている。




こんな大きな空を見れば、あたしの悩みなんて、どうでもよく思う。


“こんなちっぽけなことで、悩んでんじゃねーよ”


って、思える。




だけど、あたしの器はそんなに大きくない。



ポジティブ思考か、ネガティブ思考か、って言われたら、


あたしはネガティブ思考だ。





だから、ポジティブな美歌が羨ましい。


羨ましいというか、美歌は、あたしを引っ張って行ってくれるから。