「気が向いたら、話しますー!」 「おーう!」 彼の背中が、とても暖かくて。 泣きそうになったけど、冷たい風が涙を乾かしてくれた。 あたしは、絶対の今日のことを忘れない。 死んでも、絶対忘れない。 「あ、もうここでいいよ」 「んあ?そうか?」 「うん」 家の少し手前で、あたしはチャリから降りた。 「んにしても、今日は楽しかったな」 ニカッと笑う彼に、あたしもつられて笑う。 「風邪、引かないようにね」 「おう。栗田もな」 「あたしは大丈夫だよ」