「あ~、なんか帰りたくねぇなー」 そう言って、緒川くんは仰向けに倒れ込んだ。 「なに言ってんの。帰らなきゃダメでしょ」 本当はこんなこと思ってない。 あたしだって、帰りたくない。 治療とか、そんなのしたくない。 でも、それが現実なんだ。 「あーあ。じゃあ帰りますか」 「……うん」 緒川くんは起き上がって歩き出した。 そしてあたしも、緒川くんについていった。