それは、正直言うと面倒だ。
『はぁ……なんか力抜けた。それにしても、麗紀がサボるなんて珍しいね。ましてや海なんて。……まぁ今日は部活なかったし、いっか』
「はは……。ごめんね、美歌」
『ううん。慣れてるし。麗紀はたまにぶっ飛んだことするからねー』
得意げに笑いながら美歌が言った。
……ぶっ飛んだこと?
あたし、そんなことしたことあったっけ?
……ないない。
今回は緒川くんに無理やり連れてこられた訳だし……。
『じゃあ、バイバイ!麗紀!親が心配する前に帰んなさいよー』
「はいはい。じゃあ、また明日ね」
そう言って電話を切った。



