笑顔で言われてしまったら、なにも言えなくなった。
「……じゃあ、さ。一緒に行こうよ」
「え……」
思いがけない言葉に、あたしは目を見開いた。
「なんだよ……嫌なのかよ」
不機嫌そうな顔で緒川くんは言う。
「いや、そんなんじゃ、ないけど……」
なんであたしは、言葉を濁らせてしまったんだろう。
でも、一緒に行こう、なんて考えていなかったから。
「ほら、行くぞ」
そう言って緒川くんはあたしに、手を差し伸べた。
一瞬、躊躇したけどあたしは、その手を掴んだ。
すると、いとも簡単に立たされた。
結構細い腕なのに、どこにそんな力があるんだろう。



