腹の大きな息吹はもはや何をするのもつらいらしく、何もかもを一手に引き受けた若葉は、ちょこまかと走り回りながら息吹の世話をした。
「あっ、お姉ちゃん動いちゃ駄目!お布団敷くからじっとしてて!盥にお湯を張ってくるから身体拭いてあげるね!」
「ありがとう若葉。あとでお姉ちゃんと美味しいお菓子食べようね」
満面の笑みで頷いて部屋から飛び出て行った若葉に瞳を細めていると、息吹の傍にぴったりついて見守っていた晴明が忍び笑いを漏らした。
「懐かしい。そなたが幼い頃もあのように忙しく動き回っていた。あれは今思えば寂しさを紛らわす唯一の方法だったかもしれぬな」
「うん…そうだね。幽玄町を出て主さまたちと離れてからとっても心細くて、父様に張り付いてた頃を思い出しちゃう。若葉も昔の私みたいに寂しさを紛らわすために?」
「まったく同じとは言えぬかもしれぬが…私としても若葉は孫のように可愛いと思っている。ここに居たいのならば居てもらっても構わぬぞ」
「駄目だよ銀さんがすごく怒りそう。父様、喧嘩しないでね」
くすくす笑い合っていると若葉が晴明を呼ぶ声がして居なくなると、山姫が息吹の隣に移動して腰を叩いてやった。
「銀はちゃんと若葉の世話をしてやれているのかい?よく女と歩いているのを見かけるけど…まさか育児放棄してるんじゃ…」
「育児放棄なんかしてたら銀さんにあんなに懐いたりしないよ。ああ母様…お腹が重たい…。お腹の中ですっごく動いてるの。この子、とっても元気みたい」
愛しそうに腹を撫でる息吹の頭を撫でてやった山姫は、晴明と一緒に湯を張った盥を運んできて若葉を呼び寄せて膝に乗せた。
いつも従順で反抗したことのない若葉は少し照れたようにはにかみ、晴明が気を遣って部屋を出て行くと、膝から下りて息吹の着替えを手伝い始める。
「お姉ちゃん、私がやるから。わあ…お姉ちゃん…お腹…すごいね」
「そうでしょ?あともうちょっとで生まれてくるんだよ。そしたらぺったんこになっちゃうの。体重落とさないとぷくぷくになっちゃう」
そう言いながらも嬉しそうにしている息吹を羨ましく感じた若葉は、お湯で温めて絞った手拭いで息吹の身体を拭きつつ恐る恐る腹に手を伸ばした。
「触ってもいい?」
「うん、いいよ。この子が生まれてきたら1番はじめに若葉に抱っこしてもらおっかな」
「!うん!」
まるで妹か弟ができる気分になった若葉が腹を撫でると、ぴくりと動いた。
「あっ、お姉ちゃん動いちゃ駄目!お布団敷くからじっとしてて!盥にお湯を張ってくるから身体拭いてあげるね!」
「ありがとう若葉。あとでお姉ちゃんと美味しいお菓子食べようね」
満面の笑みで頷いて部屋から飛び出て行った若葉に瞳を細めていると、息吹の傍にぴったりついて見守っていた晴明が忍び笑いを漏らした。
「懐かしい。そなたが幼い頃もあのように忙しく動き回っていた。あれは今思えば寂しさを紛らわす唯一の方法だったかもしれぬな」
「うん…そうだね。幽玄町を出て主さまたちと離れてからとっても心細くて、父様に張り付いてた頃を思い出しちゃう。若葉も昔の私みたいに寂しさを紛らわすために?」
「まったく同じとは言えぬかもしれぬが…私としても若葉は孫のように可愛いと思っている。ここに居たいのならば居てもらっても構わぬぞ」
「駄目だよ銀さんがすごく怒りそう。父様、喧嘩しないでね」
くすくす笑い合っていると若葉が晴明を呼ぶ声がして居なくなると、山姫が息吹の隣に移動して腰を叩いてやった。
「銀はちゃんと若葉の世話をしてやれているのかい?よく女と歩いているのを見かけるけど…まさか育児放棄してるんじゃ…」
「育児放棄なんかしてたら銀さんにあんなに懐いたりしないよ。ああ母様…お腹が重たい…。お腹の中ですっごく動いてるの。この子、とっても元気みたい」
愛しそうに腹を撫でる息吹の頭を撫でてやった山姫は、晴明と一緒に湯を張った盥を運んできて若葉を呼び寄せて膝に乗せた。
いつも従順で反抗したことのない若葉は少し照れたようにはにかみ、晴明が気を遣って部屋を出て行くと、膝から下りて息吹の着替えを手伝い始める。
「お姉ちゃん、私がやるから。わあ…お姉ちゃん…お腹…すごいね」
「そうでしょ?あともうちょっとで生まれてくるんだよ。そしたらぺったんこになっちゃうの。体重落とさないとぷくぷくになっちゃう」
そう言いながらも嬉しそうにしている息吹を羨ましく感じた若葉は、お湯で温めて絞った手拭いで息吹の身体を拭きつつ恐る恐る腹に手を伸ばした。
「触ってもいい?」
「うん、いいよ。この子が生まれてきたら1番はじめに若葉に抱っこしてもらおっかな」
「!うん!」
まるで妹か弟ができる気分になった若葉が腹を撫でると、ぴくりと動いた。

