朧は朔の方に身体を向けて畏まると、周囲の皆も何故か同じように緊張して雪男と朧と朔に注目した。
「兄様…私、お師匠様を家でずっと待っているのは嫌です」
「うん、なんか嫌な予感がするけど、それで?」
「私も百鬼として共に百鬼夜行に参加したいんです」
ざわりと皆が声を上げた。
中でも十六夜は特段険しい顔で、すっと立ち上がると朔の隣に座り直して朧を説得する態勢に入った。
「前例がない。それに危険なんだ。お前も何度か参加していたら分かっているだろう?」
「分かっています。分かっているからこそ、私も兄様の矛として、盾として…そしてお師匠様の傍に居たいんです」
「…朔、お前はどうするつもりだ」
「そうですね…一族の者が百鬼として前線に立つことは今までなかったことですが…いいんじゃないですかね」
その軽い返答に十六夜は口をへの字に曲げたが、息吹はまだ反対意見を述べようとする十六夜を諫めるようにやんわりと口を挟んだ。
「今の主は朔ちゃんなんだから、朔ちゃんが決めていいんだと思うよ」
「俺の意見で決まるのなら…うん、いいよ」
またもやの軽い返答に今度は輝夜が大きく頷いて困り顔の雪男の肩を叩いた。
「あなたも最初は反対したんでしょう?」
「もちろん。だって危険なんだぞ?いつも俺が傍に居てやれるわけでもないし」
「守ってもらわなくて結構です。私は私なりに父様に武を習って鍛錬してきましたから」
「…教えなければ良かった」
すべては後の祭り。
兄姉たちは現当主の朔が決めたことに関して一切の反対をしない。
信頼しきっているからこそなのだが、今度ばかりはさすがに朧の身を案じて様々な意見が飛び交っていたが、朔は肩を竦めて朧が知らなかった事実をさらりと口にした。
「百鬼にならなくても百鬼夜行には参加できるよ」
「え?でも私は空を飛べません」
「俺たちは皆空を飛べる術を持っている。お前には必要ないから教えてなかったけど。本当に命を危険に晒す覚悟があるなら教えてあげるよ」
「お願いします!」
「その代わり、前線には進んで飛び込んでこないでほしい。いいね?」
――朧が目を輝かせて雪男の袖を何度も引っ張る。
「あーあ、面倒ごとが増えたぜ」
雪男はそうぼやいたが、本当は共に行けることを喜んでいた。
「兄様…私、お師匠様を家でずっと待っているのは嫌です」
「うん、なんか嫌な予感がするけど、それで?」
「私も百鬼として共に百鬼夜行に参加したいんです」
ざわりと皆が声を上げた。
中でも十六夜は特段険しい顔で、すっと立ち上がると朔の隣に座り直して朧を説得する態勢に入った。
「前例がない。それに危険なんだ。お前も何度か参加していたら分かっているだろう?」
「分かっています。分かっているからこそ、私も兄様の矛として、盾として…そしてお師匠様の傍に居たいんです」
「…朔、お前はどうするつもりだ」
「そうですね…一族の者が百鬼として前線に立つことは今までなかったことですが…いいんじゃないですかね」
その軽い返答に十六夜は口をへの字に曲げたが、息吹はまだ反対意見を述べようとする十六夜を諫めるようにやんわりと口を挟んだ。
「今の主は朔ちゃんなんだから、朔ちゃんが決めていいんだと思うよ」
「俺の意見で決まるのなら…うん、いいよ」
またもやの軽い返答に今度は輝夜が大きく頷いて困り顔の雪男の肩を叩いた。
「あなたも最初は反対したんでしょう?」
「もちろん。だって危険なんだぞ?いつも俺が傍に居てやれるわけでもないし」
「守ってもらわなくて結構です。私は私なりに父様に武を習って鍛錬してきましたから」
「…教えなければ良かった」
すべては後の祭り。
兄姉たちは現当主の朔が決めたことに関して一切の反対をしない。
信頼しきっているからこそなのだが、今度ばかりはさすがに朧の身を案じて様々な意見が飛び交っていたが、朔は肩を竦めて朧が知らなかった事実をさらりと口にした。
「百鬼にならなくても百鬼夜行には参加できるよ」
「え?でも私は空を飛べません」
「俺たちは皆空を飛べる術を持っている。お前には必要ないから教えてなかったけど。本当に命を危険に晒す覚悟があるなら教えてあげるよ」
「お願いします!」
「その代わり、前線には進んで飛び込んでこないでほしい。いいね?」
――朧が目を輝かせて雪男の袖を何度も引っ張る。
「あーあ、面倒ごとが増えたぜ」
雪男はそうぼやいたが、本当は共に行けることを喜んでいた。

