まさに鬼のような形相で睨んでくる如月を何とかやり過ごし、百鬼夜行に出て行く朔たちを見送り、溜まっていた雑務をこなす。
山姫は力が安定せず寝込むことの多い白雷の看病のため当面の間側近としての仕事を休んでいるので、やることは多い。
「お師匠様、お茶です」
「んっ?あーもう朝か…。主さまたちが帰ってくるな」
文を片付け、大きく伸びをして茶を啜っているとーー突然玄関から尋常ではない妖気の塊を感知して素早く立ち上がったが…
よく知っている多くの気配“たち”に、すぐ頰が緩んだ。
「さあ、お出ましになったぞ」
「兄様たち!姉様たち!」
玄関から行儀よくやって来たのは、朧の兄姉ーーつまり朔の弟と妹たちだ。
一堂に会するとは聞いていたが、まさか本当に一気にやって来るとは。
「雪男…まさか朧の夫があなただなんてね」
「そうだぞ俺たちの妹になに手なんか出してるんだ」
「けしからん!よって祝言までは我らの相手をしてもらおうぞ」
「ちょ…ちょっと待った待った!いっぺんに喋るな!」
玄関に入りきらないほど多くの朔の弟妹が怒涛のごとくなだれ込んで来て居間へと進行する。
そこには長女の如月が寝転んでまったりしていて、彼らは如月を見るなりさっと正座して一斉に頭を下げた。
「如月姉様、お久しぶりでございます」
「ああ、よく来たねえ。お前たちが息災で何よりだよ」
男の大半が十六夜似で、女は息吹に似た中、朧は十六夜似でそれが珍しいと兄姉の間でよく話題に上っていて、よって実家で暮らしている時はよくお忍びで兄姉が遊びに来てくれたものだ。
「で…兄様は…」
皆がそわそしていると、雪男が庭に出て空を見上げた。
「ああ、もう来たのかお前たち」
「兄様!」
熱狂的な声が上がる。
朔は輝夜と銀と共に降り立ち、弟妹たちは一斉に駆け寄って朔たちを取り囲み、側から見ていた雪男は整いすぎた顔ぶれの面々が勢揃いした様に苦笑が止まらない。
「いやあ、壮観だな」
「輝兄までいらっしゃるとは!」
「私がこんな面白い場に居ないわけないじゃないですか。さあ弟妹たちよ、思う存分雪男をいじり倒しなさい」
「お、おい…」
振り返った皆の目がきらりと光る。
一斉に取り囲まれてもみくちゃになった雪男は悲鳴をあげながら居間に連れ去られ、朔たちは疲れも吹き飛んで快晴の下笑い声を上げた。
山姫は力が安定せず寝込むことの多い白雷の看病のため当面の間側近としての仕事を休んでいるので、やることは多い。
「お師匠様、お茶です」
「んっ?あーもう朝か…。主さまたちが帰ってくるな」
文を片付け、大きく伸びをして茶を啜っているとーー突然玄関から尋常ではない妖気の塊を感知して素早く立ち上がったが…
よく知っている多くの気配“たち”に、すぐ頰が緩んだ。
「さあ、お出ましになったぞ」
「兄様たち!姉様たち!」
玄関から行儀よくやって来たのは、朧の兄姉ーーつまり朔の弟と妹たちだ。
一堂に会するとは聞いていたが、まさか本当に一気にやって来るとは。
「雪男…まさか朧の夫があなただなんてね」
「そうだぞ俺たちの妹になに手なんか出してるんだ」
「けしからん!よって祝言までは我らの相手をしてもらおうぞ」
「ちょ…ちょっと待った待った!いっぺんに喋るな!」
玄関に入りきらないほど多くの朔の弟妹が怒涛のごとくなだれ込んで来て居間へと進行する。
そこには長女の如月が寝転んでまったりしていて、彼らは如月を見るなりさっと正座して一斉に頭を下げた。
「如月姉様、お久しぶりでございます」
「ああ、よく来たねえ。お前たちが息災で何よりだよ」
男の大半が十六夜似で、女は息吹に似た中、朧は十六夜似でそれが珍しいと兄姉の間でよく話題に上っていて、よって実家で暮らしている時はよくお忍びで兄姉が遊びに来てくれたものだ。
「で…兄様は…」
皆がそわそしていると、雪男が庭に出て空を見上げた。
「ああ、もう来たのかお前たち」
「兄様!」
熱狂的な声が上がる。
朔は輝夜と銀と共に降り立ち、弟妹たちは一斉に駆け寄って朔たちを取り囲み、側から見ていた雪男は整いすぎた顔ぶれの面々が勢揃いした様に苦笑が止まらない。
「いやあ、壮観だな」
「輝兄までいらっしゃるとは!」
「私がこんな面白い場に居ないわけないじゃないですか。さあ弟妹たちよ、思う存分雪男をいじり倒しなさい」
「お、おい…」
振り返った皆の目がきらりと光る。
一斉に取り囲まれてもみくちゃになった雪男は悲鳴をあげながら居間に連れ去られ、朔たちは疲れも吹き飛んで快晴の下笑い声を上げた。

