雪男が百鬼夜行に加わると、ぐっと士気が上がる。
世にも珍しい雪月花を少し振るうだけで敵は幻を見て恍惚とするか恐怖に怯えながら、命が無くなることにも気付かず倒れて行く。
もちろん武闘派なので後方に下がることはなく朔の隣にしっくり収まっている姿は百鬼たちの間で名物となっていた。
「ところで雪男。祝言の日が決まったぞ」
「おお?!いつだ?」
「六日後だ。それまで屋敷に様々な者が出入りする。そしてうちの弟妹も全員集まるからな」
たかだか百鬼の祝言に朔の一族が集結することは今までなかったがーーなにぶん夫は今まで朔たちの面倒を見てきた雪男で、嫁は一族の末妹で猫可愛がりされてきた朧。
如月は少し早めにやってきてしまったが、雪男はその報に頰を緩めて雪月花を消した。
「そっか。あいつら元気かな」
「ああ皆息災だ。で、集まってしまえばお前はもみくちゃにされて常に誰かに構われてからかわれて心休まる日もなくなる。明日は如月を連れて行くから朧とどこかへ出かけてもいいぞ」
休暇をやると言われて目が丸くなった雪男がどう返事をしようか悩んでいると、輝夜がぽんと肩を叩いてきてやんわり笑った。
「一度手を出してしまえば二度も三度も同じ、ですよ」
「お前らなあ…変なことを朧に教えるなよ…」
「は?変なことを教えたのはお前だろう?」
さも心外だという顔で朔に切り返され、雪男は呆気なく陥落して頭を下げた。
「すいません、俺でした」
「じゃあ、まあそんな感じだ。屋敷はぎんと焔に守らせるから心配するな」
「んん…でもどこへ行けばいいか…」
ーー悩みながらも向かって来る敵を打ち滅ぼしていき、夜明け前に屋敷に戻った雪男は、何故かぐっすり寝入っている朧の顔を覗き込んで首を傾げた。
「なんで寝てんだこいつ」
「私が悪戯したからさ」
背後からじわっと抱きつかれて思い切りびくっとしてしまうと、如月は雪男の胸元に手を突っ込みながらにやっと笑った。
「ああ貴様のその反応…たまらんなぁ」
「やめろこの馬鹿力!!」
早く帰って!と心の中で叫ぶ雪男であった。
世にも珍しい雪月花を少し振るうだけで敵は幻を見て恍惚とするか恐怖に怯えながら、命が無くなることにも気付かず倒れて行く。
もちろん武闘派なので後方に下がることはなく朔の隣にしっくり収まっている姿は百鬼たちの間で名物となっていた。
「ところで雪男。祝言の日が決まったぞ」
「おお?!いつだ?」
「六日後だ。それまで屋敷に様々な者が出入りする。そしてうちの弟妹も全員集まるからな」
たかだか百鬼の祝言に朔の一族が集結することは今までなかったがーーなにぶん夫は今まで朔たちの面倒を見てきた雪男で、嫁は一族の末妹で猫可愛がりされてきた朧。
如月は少し早めにやってきてしまったが、雪男はその報に頰を緩めて雪月花を消した。
「そっか。あいつら元気かな」
「ああ皆息災だ。で、集まってしまえばお前はもみくちゃにされて常に誰かに構われてからかわれて心休まる日もなくなる。明日は如月を連れて行くから朧とどこかへ出かけてもいいぞ」
休暇をやると言われて目が丸くなった雪男がどう返事をしようか悩んでいると、輝夜がぽんと肩を叩いてきてやんわり笑った。
「一度手を出してしまえば二度も三度も同じ、ですよ」
「お前らなあ…変なことを朧に教えるなよ…」
「は?変なことを教えたのはお前だろう?」
さも心外だという顔で朔に切り返され、雪男は呆気なく陥落して頭を下げた。
「すいません、俺でした」
「じゃあ、まあそんな感じだ。屋敷はぎんと焔に守らせるから心配するな」
「んん…でもどこへ行けばいいか…」
ーー悩みながらも向かって来る敵を打ち滅ぼしていき、夜明け前に屋敷に戻った雪男は、何故かぐっすり寝入っている朧の顔を覗き込んで首を傾げた。
「なんで寝てんだこいつ」
「私が悪戯したからさ」
背後からじわっと抱きつかれて思い切りびくっとしてしまうと、如月は雪男の胸元に手を突っ込みながらにやっと笑った。
「ああ貴様のその反応…たまらんなぁ」
「やめろこの馬鹿力!!」
早く帰って!と心の中で叫ぶ雪男であった。

