女にしては背が高く、腰まで届く長い黒髪を無造作に一本に束ね、眉は上がり、父の十六夜によく似た切れ長の鋭い目つきーー
輝夜とふたつ歳が離れた長女の如月は、抱きついてきた朧の頭を結構な力でぐりぐり撫でてにっこり笑った。
「朧…まさかお前が雪男と夫婦になるなんてねえ…。姉様は想像もしていなかったよ」
「ようやく想いが叶いましたっ」
その間雪男はじりじり後退しながら逃げようとしていたが、如月は朧を離してこれでもかと盛り上がっている胸元に手を突っ込んで動物の革をなめした手袋を取り出した。
途端、はっと息を飲む雪男。
「お、お前!それは…!」
「私に愛玩されたいんだろう?愛玩用の手袋を思い出したか?さあ遠慮せず…ほら、来るんだ」
ふたりのやりとりに意味がわからず朧はぽかん。
手袋を装着した如月は目に青白い炎を灯しながらじりじり雪男を追い詰める。
「貴様…私の求婚を断っておきながら朧と夫婦になるとはどういう了見だ?ん?」
えっ、と朧が声を上げたが、如月は興奮しきりで耳に入っていない。
「き、如月!それはお前がちっさい時の話で…」
「幼いながらに私はとても傷ついたとも。あれからというものの…お前を愛玩することに決めたのさ」
突然長い腕が素早く伸びて雪男を羽交い締めにした如月は耳元に息を吹きかけながらぎゅうぎゅうと胸を押し付けつつ腰に手を伸ばす。
「相変わらずいやらしい身体つきだな。さあ、この手で愛玩してやろう」
「待て待てこの馬鹿力め!ちょ、待って!首!絞まってる!耳!息かかってる!いやらしい手つきで触んな!」
「あ、あの…姉様…」
朧が展開についていけず戸惑っていると、襖が開いて朔と輝夜が顔を出した。
「やっぱりお前か如月。とりあえず雪男を離してやれ」
「兄様っ!お会いしとうございました…!」
ころりと態度が変わり、急にしおらしくなった如月は雪男を解放すると朔に駆け寄って手を握った。
「旦那は息災か?」
「はいとても。兄様、相変わらずお美しい…」
「如月、私も居ますよ」
「輝兄!やだ、何十年ぶりでしょう!お会いしたかった!」
…ぽかーん。
盛り上がる三兄弟と、やっと解放されて咳き込む雪男と、何が何だかわからない朧。
とんでもない嵐の到来で、雪男は目の前が真っ暗になっていた。
輝夜とふたつ歳が離れた長女の如月は、抱きついてきた朧の頭を結構な力でぐりぐり撫でてにっこり笑った。
「朧…まさかお前が雪男と夫婦になるなんてねえ…。姉様は想像もしていなかったよ」
「ようやく想いが叶いましたっ」
その間雪男はじりじり後退しながら逃げようとしていたが、如月は朧を離してこれでもかと盛り上がっている胸元に手を突っ込んで動物の革をなめした手袋を取り出した。
途端、はっと息を飲む雪男。
「お、お前!それは…!」
「私に愛玩されたいんだろう?愛玩用の手袋を思い出したか?さあ遠慮せず…ほら、来るんだ」
ふたりのやりとりに意味がわからず朧はぽかん。
手袋を装着した如月は目に青白い炎を灯しながらじりじり雪男を追い詰める。
「貴様…私の求婚を断っておきながら朧と夫婦になるとはどういう了見だ?ん?」
えっ、と朧が声を上げたが、如月は興奮しきりで耳に入っていない。
「き、如月!それはお前がちっさい時の話で…」
「幼いながらに私はとても傷ついたとも。あれからというものの…お前を愛玩することに決めたのさ」
突然長い腕が素早く伸びて雪男を羽交い締めにした如月は耳元に息を吹きかけながらぎゅうぎゅうと胸を押し付けつつ腰に手を伸ばす。
「相変わらずいやらしい身体つきだな。さあ、この手で愛玩してやろう」
「待て待てこの馬鹿力め!ちょ、待って!首!絞まってる!耳!息かかってる!いやらしい手つきで触んな!」
「あ、あの…姉様…」
朧が展開についていけず戸惑っていると、襖が開いて朔と輝夜が顔を出した。
「やっぱりお前か如月。とりあえず雪男を離してやれ」
「兄様っ!お会いしとうございました…!」
ころりと態度が変わり、急にしおらしくなった如月は雪男を解放すると朔に駆け寄って手を握った。
「旦那は息災か?」
「はいとても。兄様、相変わらずお美しい…」
「如月、私も居ますよ」
「輝兄!やだ、何十年ぶりでしょう!お会いしたかった!」
…ぽかーん。
盛り上がる三兄弟と、やっと解放されて咳き込む雪男と、何が何だかわからない朧。
とんでもない嵐の到来で、雪男は目の前が真っ暗になっていた。

