猫又が最速で飛ばしてくれたおかげで朝早くには幽玄町に着いた。
庭に降り立つと、ふたりを待ち受けていた皆が腰を浮かして色めき立つ。
「痛…っ」
「は!?どうした、どこが痛い!?」
「主に……腰から下が…」
猫又から降りた後朧がどこかが痛いと訴えたため、それがどういう意味であるか考えた雪男はーー顔を真っ赤にして腕でそれを隠した。
「俺のせいだって言うんだろ?!ごめんってつい夢中になったよ!」
「!!そ、そんな報告しなくていいです!」
ーー何やら痴話喧嘩をしている朧と雪男を見ていた朔は心からほっとした後気を取り直して珍しく足音高くふたりに歩み寄る。
すごい勢いで近付いてくる朔にはっとしたふたりは言い合いをやめて所在無げに立ち尽くした。
「兄様…」
「うん。で?」
「主さま…その…ごめん!朧から全部聞いたよ」
「うん。それで?」
「それで…その…仲直り…しました…」
朧が雪男の手をそっと握っているのをちらりと見た朔は、肩で息をついて数歩下がると人差し指を動かして雪男だけを呼び寄せた。
「お師匠様…」
「ま、殴られる位の覚悟はしてるから。お前はそこに居ろ」
帯刀してないから刺されることはないだろうが、何らかの処罰はされるかもしれないーー
十六夜、息吹、銀、晴明、輝夜が見守る中、雪男は朔の前に立ってその美しく強い眼差しを見据えた。
「全てを聞いたな?」
「ああ、全て。…全て誤解だった」
「で?お前はこれからどうするべきだ?」
「俺は…ここに居たい。一度は逃げ出したけど…ここで主さまを守って、朧と…夫婦になりたい」
ーー望んでいた答えが得られた…
心の底からふわりと笑った朔に思わず見惚れた雪男は、突如朔に肩を抱かれて息が止まる。
「で…?抱いたんだな?」
「はっ!?な、なんで知って…」
「ふっ、かまをかけただけだ。ふふっ」
珍しく笑い声を上げる朔にかまをかけられて吐露してしまったことを後悔しつつ雪男がその場に座り込む。
「性格悪いなおい…」
「元からして朧はお前にやるつもりだった。責任を取って夫婦になれ」
ぽんと雪男の背中を叩いた朔は、やって来た輝夜に微笑みかけた。
「で?これが正しい未来か?」
「ええ、おおよそはそうですね。雪男、朧、よく耐えましたね」
正しい道に辿り着く。
そして、別れが近付いていた。
庭に降り立つと、ふたりを待ち受けていた皆が腰を浮かして色めき立つ。
「痛…っ」
「は!?どうした、どこが痛い!?」
「主に……腰から下が…」
猫又から降りた後朧がどこかが痛いと訴えたため、それがどういう意味であるか考えた雪男はーー顔を真っ赤にして腕でそれを隠した。
「俺のせいだって言うんだろ?!ごめんってつい夢中になったよ!」
「!!そ、そんな報告しなくていいです!」
ーー何やら痴話喧嘩をしている朧と雪男を見ていた朔は心からほっとした後気を取り直して珍しく足音高くふたりに歩み寄る。
すごい勢いで近付いてくる朔にはっとしたふたりは言い合いをやめて所在無げに立ち尽くした。
「兄様…」
「うん。で?」
「主さま…その…ごめん!朧から全部聞いたよ」
「うん。それで?」
「それで…その…仲直り…しました…」
朧が雪男の手をそっと握っているのをちらりと見た朔は、肩で息をついて数歩下がると人差し指を動かして雪男だけを呼び寄せた。
「お師匠様…」
「ま、殴られる位の覚悟はしてるから。お前はそこに居ろ」
帯刀してないから刺されることはないだろうが、何らかの処罰はされるかもしれないーー
十六夜、息吹、銀、晴明、輝夜が見守る中、雪男は朔の前に立ってその美しく強い眼差しを見据えた。
「全てを聞いたな?」
「ああ、全て。…全て誤解だった」
「で?お前はこれからどうするべきだ?」
「俺は…ここに居たい。一度は逃げ出したけど…ここで主さまを守って、朧と…夫婦になりたい」
ーー望んでいた答えが得られた…
心の底からふわりと笑った朔に思わず見惚れた雪男は、突如朔に肩を抱かれて息が止まる。
「で…?抱いたんだな?」
「はっ!?な、なんで知って…」
「ふっ、かまをかけただけだ。ふふっ」
珍しく笑い声を上げる朔にかまをかけられて吐露してしまったことを後悔しつつ雪男がその場に座り込む。
「性格悪いなおい…」
「元からして朧はお前にやるつもりだった。責任を取って夫婦になれ」
ぽんと雪男の背中を叩いた朔は、やって来た輝夜に微笑みかけた。
「で?これが正しい未来か?」
「ええ、おおよそはそうですね。雪男、朧、よく耐えましたね」
正しい道に辿り着く。
そして、別れが近付いていた。

