朝になるまで何度も何度も、愛し合った。
今までの喪失感を埋めるべく互いに想いに応えて、くたくたになると少し寝て、そしてまた愛し合うーーなんと幸福な時間だろうか。
「お師匠様起きて下さい、そろそろ戻らないと」
「んあ…もうちょっと…」
「早く戻らないと兄様が心配して乗り込んで来ますよ」
朝、その一言でぱっちり目が冴えた雪男はがばっと起き上がってぼさぼさの髪をかき上げる。
朧は鏡台の前に座って櫛で髪を梳いていたのだが、雪男が寝ぼけ眼のまま膝をつきながら近付いてその櫛を取り上げた。
「俺がやってやるよ」
「はい。……なんか…照れます…」
「何が照れるだよ。もう見られてない場所なんかないだろ」
「!そ、そういう問題じゃありません!」
丁寧に髪を梳いてくれるその手付きは優しく、今度は朧がその櫛で雪男の髪を梳いて整えた。
「お師匠様。焔さんに会っても絶対に手を上げないで下さいね。あの人はあの人で傷ついてるんです」
「ちょっと待てよ。嫌味くらい言うぞ?お前は俺に冷たくした挙句去ったし、あいつが妙な画策しなければ俺たちは今頃…」
「嫌味くらいはいいです。私はもう言いました。私、焔さんはいつかは百鬼になると思うんです。強いし優しいし…」
他の男を褒められてむっとした雪男がつんと顔を逸らす。
朧は雪男の頭を両手で挟んでまた向かい合わせると、重ねて言い含めた。
「あの人は私には微塵も興味はありませんから。お師匠様、お願い」
「お願いの多い奴だな。一個目のお願いは叶えてやれないかもだからな」
「いえ絶対に叶えてもらいます。さあ、帰りましょう」
台所に寄って食材を拝借して一緒に朝食を摂った後宿屋を出ると、待っていた猫又が沢山ある尻尾をぶんぶん振り回した。
「お嬢!戻ろうにゃ!」
「うん猫ちゃん。飛ばしてね」
「合点にゃ!」
雪男と乗り込んで一路幽玄町の屋敷へ。
皆が待っている、戻るべき場所へ。
今までの喪失感を埋めるべく互いに想いに応えて、くたくたになると少し寝て、そしてまた愛し合うーーなんと幸福な時間だろうか。
「お師匠様起きて下さい、そろそろ戻らないと」
「んあ…もうちょっと…」
「早く戻らないと兄様が心配して乗り込んで来ますよ」
朝、その一言でぱっちり目が冴えた雪男はがばっと起き上がってぼさぼさの髪をかき上げる。
朧は鏡台の前に座って櫛で髪を梳いていたのだが、雪男が寝ぼけ眼のまま膝をつきながら近付いてその櫛を取り上げた。
「俺がやってやるよ」
「はい。……なんか…照れます…」
「何が照れるだよ。もう見られてない場所なんかないだろ」
「!そ、そういう問題じゃありません!」
丁寧に髪を梳いてくれるその手付きは優しく、今度は朧がその櫛で雪男の髪を梳いて整えた。
「お師匠様。焔さんに会っても絶対に手を上げないで下さいね。あの人はあの人で傷ついてるんです」
「ちょっと待てよ。嫌味くらい言うぞ?お前は俺に冷たくした挙句去ったし、あいつが妙な画策しなければ俺たちは今頃…」
「嫌味くらいはいいです。私はもう言いました。私、焔さんはいつかは百鬼になると思うんです。強いし優しいし…」
他の男を褒められてむっとした雪男がつんと顔を逸らす。
朧は雪男の頭を両手で挟んでまた向かい合わせると、重ねて言い含めた。
「あの人は私には微塵も興味はありませんから。お師匠様、お願い」
「お願いの多い奴だな。一個目のお願いは叶えてやれないかもだからな」
「いえ絶対に叶えてもらいます。さあ、帰りましょう」
台所に寄って食材を拝借して一緒に朝食を摂った後宿屋を出ると、待っていた猫又が沢山ある尻尾をぶんぶん振り回した。
「お嬢!戻ろうにゃ!」
「うん猫ちゃん。飛ばしてね」
「合点にゃ!」
雪男と乗り込んで一路幽玄町の屋敷へ。
皆が待っている、戻るべき場所へ。

