「じゃあ…私は…」
「抱いていませんよ」
「でも…でも…あれから月のものがなくて…」
「朧、お前は私を呼ぶまで情緒不安定になっていましたね。きっとそれで狂ったのでしょう」
輝夜が補足したが、朧は唇を震わせながら柵越しに焔を見つめることしかできない。
「どうして…どうしてあんな嘘を…」
「…私にはどうしても手に入れたい方が居た。振り向いてもらうにはこうする他なかったということです」
「それは誰…」
ーー焔に抱かれていなかった…
その安心感より何故焔がこんな危険なまねをしたのかーー
「お慕いしている方が居るんです。とても愛しい方が」
「待て…それ以上は言うな」
静観していた朔が眉間に指をあてて唸る。
そんな悩む仕草ですら愛しく感じてしまう焔の想い人が誰であるかーーその場の皆が悟っていた。
「つまり…俺のせいということか?」
「せめてあなたが私を少しでも認めてくれていたならばこんなことは思いつきもしなかったでしょう。雪男様ばかり重宝して、それを見せつけられて私は黙っていられなかった」
まさかの告白。
妖は性別を超えて愛を感じることが多々ある。
だがまさかそれが自分のせいだとは思いもしなかった朔は俯いて大きく息を吐いた。
「…輝夜、お祖父様が来たらすぐに朧を診てもらえ。真実、腹に子が居ないかどうか確かめる」
「はい。兄さんは?」
「日没までに雪男を見つけて何もなかったことを伝えて戻って来てもらう。焔…誰も傷つく必要などなかったのに」
「私だけ傷つけと?確かに大事にはなりましたが、朧様が必要以上に騒いだせいですよ」
まるで反省の色がなかったが、今は朧と焔の間に既成事実があったわけでもなく懐妊もしていないーーその事実だけで十分だ。
「朧、よく聞くんだ。お祖父様に診て頂いた後すぐに雪男の捜索に向かう。行きそうな所は分かっているから心配するな」
「はい…!」
焔を恨む気持ちなど吹っ飛んだ。
今すぐ会いに行って誤解を全て解いてーー
あなたしか要らない、と告げるんだ。
「抱いていませんよ」
「でも…でも…あれから月のものがなくて…」
「朧、お前は私を呼ぶまで情緒不安定になっていましたね。きっとそれで狂ったのでしょう」
輝夜が補足したが、朧は唇を震わせながら柵越しに焔を見つめることしかできない。
「どうして…どうしてあんな嘘を…」
「…私にはどうしても手に入れたい方が居た。振り向いてもらうにはこうする他なかったということです」
「それは誰…」
ーー焔に抱かれていなかった…
その安心感より何故焔がこんな危険なまねをしたのかーー
「お慕いしている方が居るんです。とても愛しい方が」
「待て…それ以上は言うな」
静観していた朔が眉間に指をあてて唸る。
そんな悩む仕草ですら愛しく感じてしまう焔の想い人が誰であるかーーその場の皆が悟っていた。
「つまり…俺のせいということか?」
「せめてあなたが私を少しでも認めてくれていたならばこんなことは思いつきもしなかったでしょう。雪男様ばかり重宝して、それを見せつけられて私は黙っていられなかった」
まさかの告白。
妖は性別を超えて愛を感じることが多々ある。
だがまさかそれが自分のせいだとは思いもしなかった朔は俯いて大きく息を吐いた。
「…輝夜、お祖父様が来たらすぐに朧を診てもらえ。真実、腹に子が居ないかどうか確かめる」
「はい。兄さんは?」
「日没までに雪男を見つけて何もなかったことを伝えて戻って来てもらう。焔…誰も傷つく必要などなかったのに」
「私だけ傷つけと?確かに大事にはなりましたが、朧様が必要以上に騒いだせいですよ」
まるで反省の色がなかったが、今は朧と焔の間に既成事実があったわけでもなく懐妊もしていないーーその事実だけで十分だ。
「朧、よく聞くんだ。お祖父様に診て頂いた後すぐに雪男の捜索に向かう。行きそうな所は分かっているから心配するな」
「はい…!」
焔を恨む気持ちなど吹っ飛んだ。
今すぐ会いに行って誤解を全て解いてーー
あなたしか要らない、と告げるんだ。

