皆が集まっている居間に向かう。
そっと襖を開けて中を覗き込むと皆が揃っていた。
…雪男を除いて。
「兄様…」
振り向いた朔はようやく朧があの日何が起きたのかを話しに来たのかと思って呼び寄せた。
「雪男は今厠に行ってるからすぐ戻って来るよ。おいで」
「…そういえば遅いですね」
はっとした輝夜は目を閉じて意識を集中した後見えた景色に腰を浮かした。
「兄さん、雪男はすでに幽玄町を出ているようです」
「なに?朝まで居ると約束…」
「…居たとしても心変わりするつもりはなかったんでしょう」
ーー唇を噛み締めた朧が突然身を翻して出て行こうとすると、朔がその手を掴んで制止した。
「やめておいた方がいい」
「兄様、どうして…っ」
「もうお前とは会いたくないと言っていた。朧…雪男のことはもう…」
「そんなの…駄目。あの人が居ないと…私は生きていても死んでいるのと同じなんです!あの人の手は温かった!だから私は今度こそ諦めません!」
激しい想いに朔の手が緩み、飛び出して行こうとするのを今度は輝夜が止めた。
「朧、雪男を追うのは簡単なことです。ですがその前にお前ははっきりさせるべきでしょう」
「何をですか!?早く…早く行かないと…!」
「お前がどれだけ想いを伝えようとも聞く耳を持たない雪男には届きません。だからこそ真実を知るべきだ」
真実…?
苛立ちを隠せず身を震わせていると、朔がぽつりと呟いた。
「焔が言っていたな…“おかしなことだ”と。それを確かめる必要がある」
再び朧の手を取った朔は、訳が分からず動揺している朧に説明した。
「俺たちは焔の言い分を聞いていない。それを聞いてからでも遅くはない。焔は何か隠している。地下牢へ行こう」
そこにきっと、答えがある。
そっと襖を開けて中を覗き込むと皆が揃っていた。
…雪男を除いて。
「兄様…」
振り向いた朔はようやく朧があの日何が起きたのかを話しに来たのかと思って呼び寄せた。
「雪男は今厠に行ってるからすぐ戻って来るよ。おいで」
「…そういえば遅いですね」
はっとした輝夜は目を閉じて意識を集中した後見えた景色に腰を浮かした。
「兄さん、雪男はすでに幽玄町を出ているようです」
「なに?朝まで居ると約束…」
「…居たとしても心変わりするつもりはなかったんでしょう」
ーー唇を噛み締めた朧が突然身を翻して出て行こうとすると、朔がその手を掴んで制止した。
「やめておいた方がいい」
「兄様、どうして…っ」
「もうお前とは会いたくないと言っていた。朧…雪男のことはもう…」
「そんなの…駄目。あの人が居ないと…私は生きていても死んでいるのと同じなんです!あの人の手は温かった!だから私は今度こそ諦めません!」
激しい想いに朔の手が緩み、飛び出して行こうとするのを今度は輝夜が止めた。
「朧、雪男を追うのは簡単なことです。ですがその前にお前ははっきりさせるべきでしょう」
「何をですか!?早く…早く行かないと…!」
「お前がどれだけ想いを伝えようとも聞く耳を持たない雪男には届きません。だからこそ真実を知るべきだ」
真実…?
苛立ちを隠せず身を震わせていると、朔がぽつりと呟いた。
「焔が言っていたな…“おかしなことだ”と。それを確かめる必要がある」
再び朧の手を取った朔は、訳が分からず動揺している朧に説明した。
「俺たちは焔の言い分を聞いていない。それを聞いてからでも遅くはない。焔は何か隠している。地下牢へ行こう」
そこにきっと、答えがある。

