どうやって屋敷まで戻ってきたのか覚えていない。
雪男は屋敷から突如妖気が吹き出したことではっとして急いで裏庭に回った。
そこにはーー会ったらどうしてやろうかと思っていた焔が朔と睨み合いをしていた。
「焔…!」
「…朧様はどこに?」
「お前…!今までどうしてた!朧が…独りで辛い思いをしてたのに!」
「あなたは朧様の支えにはならなかったということですね?」
…明らかに挑発してきている。
焔は雪男に視線も向けず、居間でだらりと下げた右手に天叢雲を持って立っている朔から目を外さない。
立っているだけなのに無性に怖い。
視線を外したが最後、やられてしまう気がしていたから。
「雪男…朧はどうした」
「…あいつは戻って来ない。主さま、俺はもう…」
百鬼を抜けることを告白しようとしたが、朔はまだ焔とろくに会話もしておらず、顎を引いて焔を射殺すような目で見つめた。
「頼むから俺が想像している最悪の結末だけはやめてくれ」
「…」
「お前が朧に何かしたのは分かっている。雪男から…俺たちから去らなければならないほど重要なことだ。心して話せ」
「…話す義務があるのでしょうか?私はあなたにお仕えしているわけではない。朧様と私がどういう間柄にあろうともあなたに話す義務など…」
「息子よ、それは不義理というものだ。お前が憧れて止まない朔に何を隠そうと言うんだ。確と話せ」
銀に促されても焔は口を噤んだまま。
会うなり朔がやる前に殺してやろうかと思っていたが、逆に冷静さに包まれた雪男は腰に手をあててひとつ息をついた。
「じゃあ俺から話す」
「雪男…お前は真相を知っていたのか?」
「つい昨日知った。…そこの男は…朧を抱いたんだ。……子まで作った」
ーー皆が驚きのあまり固まっていた。
それは焔も同様で、しばらく雪男を見つめると…急に笑い出した。
「はははは!そう…そうですか。ではもう私の妻になる他ありませんね」
とん、と地面を蹴った音がした。
焔に猛然と迫る者ーー
その首を狙い、神速の速さで刀を振り翳す。
雪男は屋敷から突如妖気が吹き出したことではっとして急いで裏庭に回った。
そこにはーー会ったらどうしてやろうかと思っていた焔が朔と睨み合いをしていた。
「焔…!」
「…朧様はどこに?」
「お前…!今までどうしてた!朧が…独りで辛い思いをしてたのに!」
「あなたは朧様の支えにはならなかったということですね?」
…明らかに挑発してきている。
焔は雪男に視線も向けず、居間でだらりと下げた右手に天叢雲を持って立っている朔から目を外さない。
立っているだけなのに無性に怖い。
視線を外したが最後、やられてしまう気がしていたから。
「雪男…朧はどうした」
「…あいつは戻って来ない。主さま、俺はもう…」
百鬼を抜けることを告白しようとしたが、朔はまだ焔とろくに会話もしておらず、顎を引いて焔を射殺すような目で見つめた。
「頼むから俺が想像している最悪の結末だけはやめてくれ」
「…」
「お前が朧に何かしたのは分かっている。雪男から…俺たちから去らなければならないほど重要なことだ。心して話せ」
「…話す義務があるのでしょうか?私はあなたにお仕えしているわけではない。朧様と私がどういう間柄にあろうともあなたに話す義務など…」
「息子よ、それは不義理というものだ。お前が憧れて止まない朔に何を隠そうと言うんだ。確と話せ」
銀に促されても焔は口を噤んだまま。
会うなり朔がやる前に殺してやろうかと思っていたが、逆に冷静さに包まれた雪男は腰に手をあててひとつ息をついた。
「じゃあ俺から話す」
「雪男…お前は真相を知っていたのか?」
「つい昨日知った。…そこの男は…朧を抱いたんだ。……子まで作った」
ーー皆が驚きのあまり固まっていた。
それは焔も同様で、しばらく雪男を見つめると…急に笑い出した。
「はははは!そう…そうですか。ではもう私の妻になる他ありませんね」
とん、と地面を蹴った音がした。
焔に猛然と迫る者ーー
その首を狙い、神速の速さで刀を振り翳す。

