妙にあれから胸に引っかかるものがあった。
大事な身体…
普段あまり使うことのない言い回しだ。
「…大事な身体、か…」
「雪ちゃんの知り合いのお話?おめでとうっ」
「え?」
取り乱すことの多かった息吹はようやく落ち着いてきていて、朝になって朧の様子を見に行こうとしていた雪男は息吹の言葉に足を止めた。
「赤ちゃんができたんでしょ?故郷の方?」
「いや、あの、ちょっと待った…なに?なんの話だよ」
「え?大事な身体って今言ったでしょ?赤ちゃんが生まれるんでしょ?違うの?」
ーー確かにあの時小太郎は朧にそう言い、朧は頷いた。
だが…
誰の子だ?
間違いなく自分ではない。
一夜を共にするのは祝言を挙げた後と朧が強く願っていたから事には及んでいないのに。
「そんな…まさ、か…」
相手が思いつかない。
混乱した雪男は息吹が呼び止める声も耳に届かずふらふらと屋敷を出る。
「雪ちゃんどうしちゃったの?」
「行きましたか」
「かぐちゃん?何か知ってるの?」
「そろそろ終わるということですよ」
縁側に出て来た輝夜が息吹の手を引いて座らせた。
小さな頃からほとんど甘えることのなかった輝夜が手を繋いでくるーー息吹は妙な不安を覚えて表情を曇らせた。
「いい風に終わりそう…?」
「それは雪男と朧次第ですね。私は出来うる限り協力しました。後はもう祈る他ありません」
「そう…。朧ちゃんに早く帰って来てほしいな。雪ちゃんの説得がうまくいくといいけど」
かつて雪男に好きだと言われてそれから長い間傍に居てくれた雪男。
“俺は主さまの隣で笑ってる息吹の笑顔が好きなんだ”とよく言ってくれていた。
その雪男は側から見ても朧を自分の時より強く想っているのは明確だ。
「朧ちゃん…何が理由でも帰って来てほしい。雪ちゃんと一緒に」
皆がそれを強く願う。
大事な身体…
普段あまり使うことのない言い回しだ。
「…大事な身体、か…」
「雪ちゃんの知り合いのお話?おめでとうっ」
「え?」
取り乱すことの多かった息吹はようやく落ち着いてきていて、朝になって朧の様子を見に行こうとしていた雪男は息吹の言葉に足を止めた。
「赤ちゃんができたんでしょ?故郷の方?」
「いや、あの、ちょっと待った…なに?なんの話だよ」
「え?大事な身体って今言ったでしょ?赤ちゃんが生まれるんでしょ?違うの?」
ーー確かにあの時小太郎は朧にそう言い、朧は頷いた。
だが…
誰の子だ?
間違いなく自分ではない。
一夜を共にするのは祝言を挙げた後と朧が強く願っていたから事には及んでいないのに。
「そんな…まさ、か…」
相手が思いつかない。
混乱した雪男は息吹が呼び止める声も耳に届かずふらふらと屋敷を出る。
「雪ちゃんどうしちゃったの?」
「行きましたか」
「かぐちゃん?何か知ってるの?」
「そろそろ終わるということですよ」
縁側に出て来た輝夜が息吹の手を引いて座らせた。
小さな頃からほとんど甘えることのなかった輝夜が手を繋いでくるーー息吹は妙な不安を覚えて表情を曇らせた。
「いい風に終わりそう…?」
「それは雪男と朧次第ですね。私は出来うる限り協力しました。後はもう祈る他ありません」
「そう…。朧ちゃんに早く帰って来てほしいな。雪ちゃんの説得がうまくいくといいけど」
かつて雪男に好きだと言われてそれから長い間傍に居てくれた雪男。
“俺は主さまの隣で笑ってる息吹の笑顔が好きなんだ”とよく言ってくれていた。
その雪男は側から見ても朧を自分の時より強く想っているのは明確だ。
「朧ちゃん…何が理由でも帰って来てほしい。雪ちゃんと一緒に」
皆がそれを強く願う。

