子供たちが皆健やかに過ごしていることを確認できてほっとした息吹は、玄関で下駄を履き、見送りしてくれた朧の手を握った。
「朧ちゃん、いい結果を待ってるからね」
「はい。母様、ありがとう」
一旦背を向けた息吹だったが、大切なことを思い出して桃色の巾着袋に手を突っ込むと、白い包み紙を朧に手渡した。
「はい朧ちゃん、これ飲んでね」
「え?何ですか?」
「月のものが来る度にすごくお腹が痛くなってたでしょ?この薬を煎じて飲めばかなり楽になるから。お祖父様のお手製だから絶対効くからね」
「…は、い……」
どこか呆けたような顔をした朧が気がかりだったが、十六夜がどうしているかも心配だったため、息吹はそのまま屋敷を出た。
「月の…もの…」
女はひと月に一度、身体が子を産むための準備をする。
その際いつも重い腹痛があったので薬草を飲むことも多かったが…
「今月あったっけ…?先月は……」
そういえば…月のものが来ていない。
毎月正確に同じ日に来ていたはずなのに。
「……え…?まさ、か……」
「息吹もう帰ったのか。…朧?どうした?」
玄関で力なくへたりこんでいる朧が顔を上げる。
生気のないその表情に雪男の顔も曇り、膝を折って朧の肩を抱いた。
「どうした?気分悪いのか?」
「お師匠様…私……」
「うん、どうした?」
腹に手を当てて目と唇を震わせている朧の異常事態に雪男はすぐさま腕に抱え上げて大きな声で輝夜を呼んだ。
「輝夜!朧が変だ!診てくれ!」
「…おや、朧…どうしました」
すぐさま駆けつけた輝夜だったが、朧と目が合うとーー全てを悟った。
「輝夜…兄様…」
「…雪男、ここは私に任せて下さい。朧、おいで」
雪男から朧を受け取って抱え直した輝夜は呆然としている朧に視線を落としてひとりごちた。
「なんとつらい運命なんだ…」
誰もこの娘の苦難など望んでいないのに。
「朧ちゃん、いい結果を待ってるからね」
「はい。母様、ありがとう」
一旦背を向けた息吹だったが、大切なことを思い出して桃色の巾着袋に手を突っ込むと、白い包み紙を朧に手渡した。
「はい朧ちゃん、これ飲んでね」
「え?何ですか?」
「月のものが来る度にすごくお腹が痛くなってたでしょ?この薬を煎じて飲めばかなり楽になるから。お祖父様のお手製だから絶対効くからね」
「…は、い……」
どこか呆けたような顔をした朧が気がかりだったが、十六夜がどうしているかも心配だったため、息吹はそのまま屋敷を出た。
「月の…もの…」
女はひと月に一度、身体が子を産むための準備をする。
その際いつも重い腹痛があったので薬草を飲むことも多かったが…
「今月あったっけ…?先月は……」
そういえば…月のものが来ていない。
毎月正確に同じ日に来ていたはずなのに。
「……え…?まさ、か……」
「息吹もう帰ったのか。…朧?どうした?」
玄関で力なくへたりこんでいる朧が顔を上げる。
生気のないその表情に雪男の顔も曇り、膝を折って朧の肩を抱いた。
「どうした?気分悪いのか?」
「お師匠様…私……」
「うん、どうした?」
腹に手を当てて目と唇を震わせている朧の異常事態に雪男はすぐさま腕に抱え上げて大きな声で輝夜を呼んだ。
「輝夜!朧が変だ!診てくれ!」
「…おや、朧…どうしました」
すぐさま駆けつけた輝夜だったが、朧と目が合うとーー全てを悟った。
「輝夜…兄様…」
「…雪男、ここは私に任せて下さい。朧、おいで」
雪男から朧を受け取って抱え直した輝夜は呆然としている朧に視線を落としてひとりごちた。
「なんとつらい運命なんだ…」
誰もこの娘の苦難など望んでいないのに。

