『選択の度に道は分かれるが、未来は変わらない。最後に行き着く未来は同じ』
ーー全く同じ言葉を輝夜が言ったことがある。
目を開けた時、抱きしめてくれていた輝夜と目が合った朧は、にこっと笑った兄の少しはだけた胸に顔を埋めた。
「輝夜兄様は大変な宿命を背負ってるんですね…」
「ええまあ、苦に感じたことは正直ありません。母や父、そして兄さんたちがこんな私を支えてくれましたから。朧、この鬼灯、あの頃と色が少し違うでしょう?」
熟しているとは言えないが、確かに色は濃くなっている。
輝夜はそれを見せながら朧に訥々と訴えかけた。
「未来を見通す力が私にはあります。お前は決して悲嘆な人生を送ることにはなっていない。それを信じなさい。お前自身がお前を信じなければ、正しい未来には辿り着けません」
「…はい」
「私の命は消えかけましたが母様の願いで助かるというのが私の未来の一端。お前の未来は愛した者を生涯愛し、愛される未来。長い人生ですから道に迷うこともあります。今まさにその時と言えるでしょう。けれど朧、未来のお前が悲しみに暮れる姿など私には見えていません。…ああ、少し喋りすぎたかな」
饒舌になりすぎて頰をかいた輝夜は、頭の上の花冠を朧の頭に乗せて額に口づけをした。
「つまりそういうことですよ。お前が望んだ未来はお前自身が望まなければやって来ない。試練など今後山ほど訪れます。けれど愛する者が傍に居れば乗り越えられます」
励ましてくれた輝夜の言葉で目が覚めた朧は、真っ赤になった目を擦って顔を上げた。
「輝夜兄様、ありがとうございます。私、目が覚めました」
「その意気ですよ。ああそういえば小さな頃の兄さん、可愛かったでしょう?」
「ふふ、はい。ねえ輝夜兄様…欠けているものって、何なんですか?」
輝夜はふっと笑い、目を伏せた。
「秘密です。私の生涯を懸けて追い求めていきます」
「そうですか…。輝夜兄様…大好き」
「ふふふ、私も好きですよ、兄さんの次にね」
笑わせてくれる楽しい兄。
無性に雪男に会いたくなった。
ーー全く同じ言葉を輝夜が言ったことがある。
目を開けた時、抱きしめてくれていた輝夜と目が合った朧は、にこっと笑った兄の少しはだけた胸に顔を埋めた。
「輝夜兄様は大変な宿命を背負ってるんですね…」
「ええまあ、苦に感じたことは正直ありません。母や父、そして兄さんたちがこんな私を支えてくれましたから。朧、この鬼灯、あの頃と色が少し違うでしょう?」
熟しているとは言えないが、確かに色は濃くなっている。
輝夜はそれを見せながら朧に訥々と訴えかけた。
「未来を見通す力が私にはあります。お前は決して悲嘆な人生を送ることにはなっていない。それを信じなさい。お前自身がお前を信じなければ、正しい未来には辿り着けません」
「…はい」
「私の命は消えかけましたが母様の願いで助かるというのが私の未来の一端。お前の未来は愛した者を生涯愛し、愛される未来。長い人生ですから道に迷うこともあります。今まさにその時と言えるでしょう。けれど朧、未来のお前が悲しみに暮れる姿など私には見えていません。…ああ、少し喋りすぎたかな」
饒舌になりすぎて頰をかいた輝夜は、頭の上の花冠を朧の頭に乗せて額に口づけをした。
「つまりそういうことですよ。お前が望んだ未来はお前自身が望まなければやって来ない。試練など今後山ほど訪れます。けれど愛する者が傍に居れば乗り越えられます」
励ましてくれた輝夜の言葉で目が覚めた朧は、真っ赤になった目を擦って顔を上げた。
「輝夜兄様、ありがとうございます。私、目が覚めました」
「その意気ですよ。ああそういえば小さな頃の兄さん、可愛かったでしょう?」
「ふふ、はい。ねえ輝夜兄様…欠けているものって、何なんですか?」
輝夜はふっと笑い、目を伏せた。
「秘密です。私の生涯を懸けて追い求めていきます」
「そうですか…。輝夜兄様…大好き」
「ふふふ、私も好きですよ、兄さんの次にね」
笑わせてくれる楽しい兄。
無性に雪男に会いたくなった。

