庭から鈴虫の鳴く声が聞こえてゆっくり目を開けた朧は、雪男が縁側でその鳴き声を楽しみながら酒を飲んでいるのを見てゆっくり身体を起こした。
「お師匠様?私…どうしたんですか…?」
「ん?ああ起きたか。お前さ、風呂場で倒れてて…で…まあ俺がその…着替えさせた」
見下ろすと浴衣は綺麗に着せられていて、裸を見られたことに頰が熱くなると、それが雪男に伝染して慌てて首を振った。
「い、いや、見てな……見たけどじっくりは見てませ、ん…」
「…見たんですね?」
「う……まあ、止む無く…。いいじゃん見たの二回目なんだし」
…なんだか吹っ切れた様子に見えた。
朧は雪男の隣にちょこんと座って頭を下げた。
「助けて下さってありがとうございました」
「ああ、どこも痛くないか?」
「そう言えば…」
膝から崩れ落ちたため、朧の右膝には擦りむいたような傷があり、血が滲んでいた。
傷の治療まで気が回らなかった雪男は、浴衣を膝上まで捲り上げて細い脚を晒している朧の無防備さに翻弄されそうになりながら傷を検分して頷いた。
「酷くはないけど治療はしよう。傷になると嫌だろ」
「これ位平気です」
「駄目だって。お前女なんだから身体に傷なんか作るなよ」
ーー朧がくっと唇を噛み締めて俯いた。
雪男はその意味が分からないながらも、治療を拒む朧を前に強めの酒をぐいっと呷って飲み干すとーー
朧の膝の傷に顔を近付けて、舌で舐めた。
「…っ、お師匠様…!?」
「酒で消毒してやるよ」
あまりに突然のことで、熱いのか冷たいのかも分からない。
ただ舌の感触ーー目を伏せた雪男の白い睫毛…
何もかもが官能的すぎて、声を出しそうになって両手で口元を覆った。
「お前が治療を拒むから罰だ」
「でも、こんな…っ」
「恥ずかしいだろ。もっと恥ずかしがれ」
傷口を這う舌の感触は艶かしく、また雪男の少し乱れた胸元が見えて余計に恥ずかしくなり、息が漏れて雪男の耳朶をくすぐる。
甘い時が流れた。
永遠に続いてほしい、とふたりとも願った。
「お師匠様?私…どうしたんですか…?」
「ん?ああ起きたか。お前さ、風呂場で倒れてて…で…まあ俺がその…着替えさせた」
見下ろすと浴衣は綺麗に着せられていて、裸を見られたことに頰が熱くなると、それが雪男に伝染して慌てて首を振った。
「い、いや、見てな……見たけどじっくりは見てませ、ん…」
「…見たんですね?」
「う……まあ、止む無く…。いいじゃん見たの二回目なんだし」
…なんだか吹っ切れた様子に見えた。
朧は雪男の隣にちょこんと座って頭を下げた。
「助けて下さってありがとうございました」
「ああ、どこも痛くないか?」
「そう言えば…」
膝から崩れ落ちたため、朧の右膝には擦りむいたような傷があり、血が滲んでいた。
傷の治療まで気が回らなかった雪男は、浴衣を膝上まで捲り上げて細い脚を晒している朧の無防備さに翻弄されそうになりながら傷を検分して頷いた。
「酷くはないけど治療はしよう。傷になると嫌だろ」
「これ位平気です」
「駄目だって。お前女なんだから身体に傷なんか作るなよ」
ーー朧がくっと唇を噛み締めて俯いた。
雪男はその意味が分からないながらも、治療を拒む朧を前に強めの酒をぐいっと呷って飲み干すとーー
朧の膝の傷に顔を近付けて、舌で舐めた。
「…っ、お師匠様…!?」
「酒で消毒してやるよ」
あまりに突然のことで、熱いのか冷たいのかも分からない。
ただ舌の感触ーー目を伏せた雪男の白い睫毛…
何もかもが官能的すぎて、声を出しそうになって両手で口元を覆った。
「お前が治療を拒むから罰だ」
「でも、こんな…っ」
「恥ずかしいだろ。もっと恥ずかしがれ」
傷口を這う舌の感触は艶かしく、また雪男の少し乱れた胸元が見えて余計に恥ずかしくなり、息が漏れて雪男の耳朶をくすぐる。
甘い時が流れた。
永遠に続いてほしい、とふたりとも願った。

