面を取ったふたりの額には汗が浮かび、遊びではなく真剣に祭事を行なったことを如実に表していた。
「兄さん、お疲れ様でした」
「ああ、お前もよくやった」
限りなく歳の近いふたりが微笑み、朔が背丈が同じ程の輝夜の頭を撫でる。
輝夜もどこか嬉しそうで、それを見た朧もまた微笑んで雪男の袖を引っ張った。
「仲良しですね」
「そうだな、輝夜は小さな時から落ち着きがなくて神隠しに遭ったんじゃないかってほど行方不明になってたんだ。それをいつも主さまがどこからか見つけてきて、一緒にいる時はどこにも行かないようにいつも手を繋いでたよ」
朔が汗に濡れた黒髪をかき上げると女の妖から悲鳴のような嬌声が上がり、恐ろしいことに男の妖からは、輝夜の中性的な笑みに喉を鳴らす音が聞こえそうで、雪男が苦笑した。
「お前の兄ちゃんたちって存在してるだけで罪だよな」
…それはあなたも同じ。
内心朧はそう思い、先日雪男と親しく話していた飛縁魔や女の妖が熱心に雪男を見ていることに気付いていた。
「私の妹よ、恙無く祭事は終了しました。きっと体調も回復しましょう」
「ありがとうございます、ええと…輝夜兄様」
兄様、と呼ばれてどこかくすぐったそうな顔をして照れる輝夜は、神楽鈴を脇に置いて朧の隣に座った。
「我々は妖の頂に在る存在なのに神楽鈴とはね。うちの家系には変わった者が居たらしい」
「変わった者と言えば、今やお前が最たる存在だな」
ははっと笑った輝夜は再び刀を手にして立ったまま茶を飲んでいる朔を見上げた。
「じゃあ行きましょうか兄さん」
「ん、そうだな。雪男、後を頼んだぞ」
「了解」
「朧、私が戻るまでは起きていなさい。いいですね?」
「はい」
朔の掛け声で一斉に百鬼が飛び立つ。
もぬけの殻になった庭に残されたふたりは、一瞬見つめ合うと、照れたように俯いた。
「すごかったな、主さまたちの神楽 」
「はい。あんなきれいな生き物居ない…」
…お前もきれいだ。
その言葉を飲み込み、月を見上げる。
「兄さん、お疲れ様でした」
「ああ、お前もよくやった」
限りなく歳の近いふたりが微笑み、朔が背丈が同じ程の輝夜の頭を撫でる。
輝夜もどこか嬉しそうで、それを見た朧もまた微笑んで雪男の袖を引っ張った。
「仲良しですね」
「そうだな、輝夜は小さな時から落ち着きがなくて神隠しに遭ったんじゃないかってほど行方不明になってたんだ。それをいつも主さまがどこからか見つけてきて、一緒にいる時はどこにも行かないようにいつも手を繋いでたよ」
朔が汗に濡れた黒髪をかき上げると女の妖から悲鳴のような嬌声が上がり、恐ろしいことに男の妖からは、輝夜の中性的な笑みに喉を鳴らす音が聞こえそうで、雪男が苦笑した。
「お前の兄ちゃんたちって存在してるだけで罪だよな」
…それはあなたも同じ。
内心朧はそう思い、先日雪男と親しく話していた飛縁魔や女の妖が熱心に雪男を見ていることに気付いていた。
「私の妹よ、恙無く祭事は終了しました。きっと体調も回復しましょう」
「ありがとうございます、ええと…輝夜兄様」
兄様、と呼ばれてどこかくすぐったそうな顔をして照れる輝夜は、神楽鈴を脇に置いて朧の隣に座った。
「我々は妖の頂に在る存在なのに神楽鈴とはね。うちの家系には変わった者が居たらしい」
「変わった者と言えば、今やお前が最たる存在だな」
ははっと笑った輝夜は再び刀を手にして立ったまま茶を飲んでいる朔を見上げた。
「じゃあ行きましょうか兄さん」
「ん、そうだな。雪男、後を頼んだぞ」
「了解」
「朧、私が戻るまでは起きていなさい。いいですね?」
「はい」
朔の掛け声で一斉に百鬼が飛び立つ。
もぬけの殻になった庭に残されたふたりは、一瞬見つめ合うと、照れたように俯いた。
「すごかったな、主さまたちの神楽 」
「はい。あんなきれいな生き物居ない…」
…お前もきれいだ。
その言葉を飲み込み、月を見上げる。

