「命に関わる…だって…?」
朧の病状を晴明に説明された雪男は、枕元で絶句していた。
白い手はまた何度も伸びたり引っ込めたりを繰り返し、朔と晴明は顔を見合わせてゆっくり頷いた。
「お前は聞きたくないだろうが、しのごの言っている場合じゃないから言う。…朧はまだおまえを愛している」
「…っ、だけど…なんなんだよ…俺が見放された方なんだぞ?」
つい語気が荒くなり、片手で口元を覆った雪男は、首を振ってそれを否定する朔を信じられない思いで見つめた。
「引き返せない程の何かがあったんだろう。これ以上野放しにすることはできない。焔を全力で探す。問い詰めて然るべき対応を取る」
ちらりと晴明を見た朔だったが、晴明は意に介さず肩をすくめた。
「あれはうちの身内だが、私の孫娘の方が大事。私も式を使って協力しよう」
薬で眠らされている朧はとても儚く見えた。
手を離された立場の雪男は混乱し続けながらも、朧に触れたいと言う思いが勝り、静かに目を伏せている朔に問うた。
「…もし触って熱かったら…」
「それはない。雪男…朧を信じてやってくれ」
朔の懇願を拒絶できるはずもなく、雪男は恐る恐る手を伸ばしーー朧の頰に触れた。
「……朧…」
ーーあたたかい。
焼けるような熱さも感じず、ただただあたたかい。
ぐっと何かがこみ上げてきた雪男は、ぎゅっと目を閉じてそれに耐える。
「どうだ」
「うん…あったかいな…」
「お前と離れると死んでしまう…今の朧はそんな感じだ。お前は朧と離れていたいか?」
「そんなわけないだろ。…なんかよく分かんねえよ…分かんねえけど…傍に居る。死なれるのは嫌だ」
「よしまとまったな。私は十六夜と息吹に説明してくるから、朔は百鬼を使って焔の捜索を頼むよ」
「はい」
ふたりが部屋を出て行く。
雪男は朧の手を握り続け、目が覚めるのを待ち続けた。
朧の病状を晴明に説明された雪男は、枕元で絶句していた。
白い手はまた何度も伸びたり引っ込めたりを繰り返し、朔と晴明は顔を見合わせてゆっくり頷いた。
「お前は聞きたくないだろうが、しのごの言っている場合じゃないから言う。…朧はまだおまえを愛している」
「…っ、だけど…なんなんだよ…俺が見放された方なんだぞ?」
つい語気が荒くなり、片手で口元を覆った雪男は、首を振ってそれを否定する朔を信じられない思いで見つめた。
「引き返せない程の何かがあったんだろう。これ以上野放しにすることはできない。焔を全力で探す。問い詰めて然るべき対応を取る」
ちらりと晴明を見た朔だったが、晴明は意に介さず肩をすくめた。
「あれはうちの身内だが、私の孫娘の方が大事。私も式を使って協力しよう」
薬で眠らされている朧はとても儚く見えた。
手を離された立場の雪男は混乱し続けながらも、朧に触れたいと言う思いが勝り、静かに目を伏せている朔に問うた。
「…もし触って熱かったら…」
「それはない。雪男…朧を信じてやってくれ」
朔の懇願を拒絶できるはずもなく、雪男は恐る恐る手を伸ばしーー朧の頰に触れた。
「……朧…」
ーーあたたかい。
焼けるような熱さも感じず、ただただあたたかい。
ぐっと何かがこみ上げてきた雪男は、ぎゅっと目を閉じてそれに耐える。
「どうだ」
「うん…あったかいな…」
「お前と離れると死んでしまう…今の朧はそんな感じだ。お前は朧と離れていたいか?」
「そんなわけないだろ。…なんかよく分かんねえよ…分かんねえけど…傍に居る。死なれるのは嫌だ」
「よしまとまったな。私は十六夜と息吹に説明してくるから、朔は百鬼を使って焔の捜索を頼むよ」
「はい」
ふたりが部屋を出て行く。
雪男は朧の手を握り続け、目が覚めるのを待ち続けた。

