直ちに招集された焔は無表情で、朔の足元に傅いていた。
「朧の件で問いたいことがある。全て話せ」
「…私の口からは申し上げられません」
「何故だ」
「朧様と約束致しましたので。男に二言はありません。申し訳ありません」
深々と頭を下げる焔のつむじをじっと朔が見つめる。
静かだが恐ろしいほどの圧を感じた焔は正直その場から逃げ出したい思いになっていた。
「朧とそう約束したのか?」
「はい」
「お前は…雪男と朧が恋仲にあったことは知っているな?」
「はい」
「お前が割って入ったということか?」
「…ですのでそれは申し上げられません、と」
朔がいらっとしたのが空気で伝わる。
滅多に怒らない性質なため、爆発した時はそれはひどい事態に陥ることが多い。
「朔ちゃん、話せないって言ってるからもういいよ。朧ちゃんと会って来ようよ」
閉じこもったまま出てこない朧。
決してふたりの思いが違えたわけではいことはよくわかっている。
「どうしても話せないのか」
「…私は実質あなたの百鬼ではありません。答える義務も元々ないのです」
「分かった、もういい。お前は真相が明らかになったら直ちに発て。そして戻って来るな」
ーー見放された形になった焔が顔を上げた。
眉間には皺が寄り、反論しようにも朧との約束でそれができずに悔しがっていると、朔はその様子を見て冷たい視線で返した。
「主さま…」
「俺には大事な妹と、右腕以上の存在の男の非常事態なんだ。いくらでも非情になれる」
壮絶に美しく冴えた表情の朔に、こんな状況にありながらも焔は見惚れた。
それは決して抗えない性だった。
「朧の件で問いたいことがある。全て話せ」
「…私の口からは申し上げられません」
「何故だ」
「朧様と約束致しましたので。男に二言はありません。申し訳ありません」
深々と頭を下げる焔のつむじをじっと朔が見つめる。
静かだが恐ろしいほどの圧を感じた焔は正直その場から逃げ出したい思いになっていた。
「朧とそう約束したのか?」
「はい」
「お前は…雪男と朧が恋仲にあったことは知っているな?」
「はい」
「お前が割って入ったということか?」
「…ですのでそれは申し上げられません、と」
朔がいらっとしたのが空気で伝わる。
滅多に怒らない性質なため、爆発した時はそれはひどい事態に陥ることが多い。
「朔ちゃん、話せないって言ってるからもういいよ。朧ちゃんと会って来ようよ」
閉じこもったまま出てこない朧。
決してふたりの思いが違えたわけではいことはよくわかっている。
「どうしても話せないのか」
「…私は実質あなたの百鬼ではありません。答える義務も元々ないのです」
「分かった、もういい。お前は真相が明らかになったら直ちに発て。そして戻って来るな」
ーー見放された形になった焔が顔を上げた。
眉間には皺が寄り、反論しようにも朧との約束でそれができずに悔しがっていると、朔はその様子を見て冷たい視線で返した。
「主さま…」
「俺には大事な妹と、右腕以上の存在の男の非常事態なんだ。いくらでも非情になれる」
壮絶に美しく冴えた表情の朔に、こんな状況にありながらも焔は見惚れた。
それは決して抗えない性だった。

