焔の持って来た酒はとても美味しかったので、沢山飲んだ気がする。
沢山飲んで、明日のことが楽しみで、浮かれたのも確かだ。
明日はとても、とても、嬉しい日になるはずーー
「ん………」
外から鳥のさえずりが聞こえた。
もう朝なのかと目を開けようとしたが身体は重たく、頭も痛い気がする。
「起きなきゃ……きゃっ?」
腰のあたりを何かがくすぐった。
それはとてもふわふわしたものでーーそして浴衣越しにではなく直に触れたので、勝手に脱いでしまったのだろうかとぼんやり考える。
「…お目覚めですか」
…誰かの声が隣で聞こえた。
今度こそ目を開けた朧はーー
布団の中隣でじっと見つめてきている焔を目を見開いて言葉もなく凝視した。
「もしや…覚えておられないのですか?」
「え…、え…!?何を、ですか…?私…私、裸!?」
互いに何も身につけてはいない。
声にならない悲鳴を上げた朧は、傍に脱ぎ散らされた浴衣を胸に搔き抱いて床から飛び退った。
「…昨晩あなたは酔われて、私が介抱していたのですが…途中から求められまして」
「も…求める…!?」
「はい。しかし…初めてだったとは知らず…」
焔が床の真ん中あたりに目をやる。
そこには、赤い斑点ーー血がついていた。
「そんな…そんな…っ!」
「私は何か申し訳ないことをしたようですね」
ーー求められた、と言った。
ということは…自分が焔を雪男と勘違いして求めたということか…?
混乱極まる朧の青ざめた顔を見た焔は、素早く着物を纏うと、尻尾を揺らした。
「このこと、主さまにお伝えを…」
「やめて!やめて…下さい…言わないで…」
どうしてこんなことに?
どうしてーー?
答えが出ない。
沢山飲んで、明日のことが楽しみで、浮かれたのも確かだ。
明日はとても、とても、嬉しい日になるはずーー
「ん………」
外から鳥のさえずりが聞こえた。
もう朝なのかと目を開けようとしたが身体は重たく、頭も痛い気がする。
「起きなきゃ……きゃっ?」
腰のあたりを何かがくすぐった。
それはとてもふわふわしたものでーーそして浴衣越しにではなく直に触れたので、勝手に脱いでしまったのだろうかとぼんやり考える。
「…お目覚めですか」
…誰かの声が隣で聞こえた。
今度こそ目を開けた朧はーー
布団の中隣でじっと見つめてきている焔を目を見開いて言葉もなく凝視した。
「もしや…覚えておられないのですか?」
「え…、え…!?何を、ですか…?私…私、裸!?」
互いに何も身につけてはいない。
声にならない悲鳴を上げた朧は、傍に脱ぎ散らされた浴衣を胸に搔き抱いて床から飛び退った。
「…昨晩あなたは酔われて、私が介抱していたのですが…途中から求められまして」
「も…求める…!?」
「はい。しかし…初めてだったとは知らず…」
焔が床の真ん中あたりに目をやる。
そこには、赤い斑点ーー血がついていた。
「そんな…そんな…っ!」
「私は何か申し訳ないことをしたようですね」
ーー求められた、と言った。
ということは…自分が焔を雪男と勘違いして求めたということか…?
混乱極まる朧の青ざめた顔を見た焔は、素早く着物を纏うと、尻尾を揺らした。
「このこと、主さまにお伝えを…」
「やめて!やめて…下さい…言わないで…」
どうしてこんなことに?
どうしてーー?
答えが出ない。

