足元がふわふわする。
嬉しくて嬉しくてーただただ嬉しくて、涙まで出る始末で自室に篭り、噛みしめる。
「とうとう私…お嫁さんに…」
母を恨んだ時もあった。
歳の差をーー種族の違いを悔やんだことも数知れなかった。
だが、奇跡は起きたのだ。
「朧…いいか?」
「!はい、どうぞ」
手で軽く髪を整えて襖を開けると、はにかんでいる雪男が立っていた。
顔が見れるだけで嬉しいのに自分のものになるという実感が全然湧かない朧は、部屋に入ってきた雪男を見上げた。
「夢じゃないですよね?」
「ああ、夢じゃない。頰つねってやろうか?」
頰を膨らませた朧を雪男が愛しげに抱きしめる。
現実的にその力強さやあたたかさを感じてまた泣けてくると、雪男は声を上げて笑った。
「ははっ、泣くなって。泣くのは先代の前で“今までお世話なにりました”っていう時だろ」
「はい…」
「で、俺は今夜も普通に百鬼夜行に行くけど、明日は一緒に先代のとこに行こうな」
「はいっ」
嬉しさですぐに笑顔が戻る。
何かにはっと気付いた朧は、突然雪男の胸元をはだけさせて驚かせると、唇を寄せて強い痣をつけた。
「ちょ…っ、ええ!?」
「約束でしたよね?これでおあいこ!お師匠様、行ってらっしゃいませ」
目を白黒させる雪男が可愛らしく、おどおどしながら部屋から出て行くのを見送ると、鏡台の前に座って自身をじっと見つめた。
「お嫁さんになっても過信しない。あの人は私のものになるんだから」
赤い紅を引く。
化粧をすると壮絶な美しさになる朧は、明日に備えて化粧の練習をして鏡に映る自分に笑いかけた。
嬉しくて嬉しくてーただただ嬉しくて、涙まで出る始末で自室に篭り、噛みしめる。
「とうとう私…お嫁さんに…」
母を恨んだ時もあった。
歳の差をーー種族の違いを悔やんだことも数知れなかった。
だが、奇跡は起きたのだ。
「朧…いいか?」
「!はい、どうぞ」
手で軽く髪を整えて襖を開けると、はにかんでいる雪男が立っていた。
顔が見れるだけで嬉しいのに自分のものになるという実感が全然湧かない朧は、部屋に入ってきた雪男を見上げた。
「夢じゃないですよね?」
「ああ、夢じゃない。頰つねってやろうか?」
頰を膨らませた朧を雪男が愛しげに抱きしめる。
現実的にその力強さやあたたかさを感じてまた泣けてくると、雪男は声を上げて笑った。
「ははっ、泣くなって。泣くのは先代の前で“今までお世話なにりました”っていう時だろ」
「はい…」
「で、俺は今夜も普通に百鬼夜行に行くけど、明日は一緒に先代のとこに行こうな」
「はいっ」
嬉しさですぐに笑顔が戻る。
何かにはっと気付いた朧は、突然雪男の胸元をはだけさせて驚かせると、唇を寄せて強い痣をつけた。
「ちょ…っ、ええ!?」
「約束でしたよね?これでおあいこ!お師匠様、行ってらっしゃいませ」
目を白黒させる雪男が可愛らしく、おどおどしながら部屋から出て行くのを見送ると、鏡台の前に座って自身をじっと見つめた。
「お嫁さんになっても過信しない。あの人は私のものになるんだから」
赤い紅を引く。
化粧をすると壮絶な美しさになる朧は、明日に備えて化粧の練習をして鏡に映る自分に笑いかけた。

