十六夜の元に朔からの文が届いたのは昼頃のことだった。
滅多に文などよこさないので嫌な予感はしていたが…その文をひとりで見る勇気のなかった十六夜は、息吹を呼び寄せて用件も言えず黙っていた。
「どうしたの?…それ、朔ちゃんから?」
「…ああ」
「私も見たい。一緒に読も」
そう言ってくれるのを待っていたのでほっとすると、十六夜にしか読まないように術がかけられていたのでそれを解き、目を通した。
「“至急雪男を招かれたし。父様、悪あがきは今日までにしましょう”。……あぁ…」
ため息が漏れる。
末娘が部下でもあり、天敵でもあった男と夫婦になる日が来ようとはーー
「十六夜さん…明日、雪ちゃんを呼びましょう。いいよね?もう十分…待たせたでしょ?」
「……そうだな」
認めてもらうために百鬼夜行に出て一騎当千以上の働きを見せている雪男の奮闘ぶりはよく耳にしていた。
妖は強さが全て。
もれなく美しさもついてくるので、雪男は合格以上の成果と結果を出したのだ。
「…少し横になりたい」
「はいどうぞ」
膝枕を提供した息吹は、十六夜の長い髪を愛しげに撫でて愛娘を想う。
「寂しい?」
「…あの子はいつから雪男を…」
「最初からだよ?朧ちゃんは言葉を話せない時から雪ちゃんにべったりだったでしょ?」
「…もういい。後で文を書く。…認めればいいんだろう」
朔から催促が来たのは、現在当代である朔が認めたということーー
「後は朔ちゃんと朔ちゃんの下の弟だけだね。…十六夜さん、もっと子供欲しい?」
息吹に茶化されてまた深い息をついた十六夜は、雪男に会ったら一発殴ってやろうと決めて目を閉じた。
滅多に文などよこさないので嫌な予感はしていたが…その文をひとりで見る勇気のなかった十六夜は、息吹を呼び寄せて用件も言えず黙っていた。
「どうしたの?…それ、朔ちゃんから?」
「…ああ」
「私も見たい。一緒に読も」
そう言ってくれるのを待っていたのでほっとすると、十六夜にしか読まないように術がかけられていたのでそれを解き、目を通した。
「“至急雪男を招かれたし。父様、悪あがきは今日までにしましょう”。……あぁ…」
ため息が漏れる。
末娘が部下でもあり、天敵でもあった男と夫婦になる日が来ようとはーー
「十六夜さん…明日、雪ちゃんを呼びましょう。いいよね?もう十分…待たせたでしょ?」
「……そうだな」
認めてもらうために百鬼夜行に出て一騎当千以上の働きを見せている雪男の奮闘ぶりはよく耳にしていた。
妖は強さが全て。
もれなく美しさもついてくるので、雪男は合格以上の成果と結果を出したのだ。
「…少し横になりたい」
「はいどうぞ」
膝枕を提供した息吹は、十六夜の長い髪を愛しげに撫でて愛娘を想う。
「寂しい?」
「…あの子はいつから雪男を…」
「最初からだよ?朧ちゃんは言葉を話せない時から雪ちゃんにべったりだったでしょ?」
「…もういい。後で文を書く。…認めればいいんだろう」
朔から催促が来たのは、現在当代である朔が認めたということーー
「後は朔ちゃんと朔ちゃんの下の弟だけだね。…十六夜さん、もっと子供欲しい?」
息吹に茶化されてまた深い息をついた十六夜は、雪男に会ったら一発殴ってやろうと決めて目を閉じた。

