前方では朔と銀が無双状態で敵を薙ぎ倒していく。
やはり女は格好の狙い目らしく、朧に向かってくる。
結果的に前に乗っている朧の腰を雪男が抱く形で戦うしかなく、片手だが安安と倒して行く様に、朧の心臓は悲鳴を上げていた。
雪月花を振るう度に息が漏れる音が聞こえるし、顔を上げれば戦いに興奮して目が輝いている雪男の表情に恍惚となってしまう。
「雪男!討ち漏らしたからそっちで対処しろ!」
「はいよっと!」
朔が注意を促し、雪男が向かってきた大型の犬のような獣を一撃で仕留めた。
「お師匠様、私邪魔じゃないですか?」
「あーお前位なら全然平気だよ」
「何か…見たことない表情してる」
「え?俺が?ああ、まあちょっと血湧き肉躍ってるのは確かだな。目が血走ってるとか言いたいのか?」
周囲には大勢の百鬼が居るので滅多なことはできないし言えないので、胸元に掴まるふりをして顔を近付けると、声を潜めた。
「とってもきれいな目をしてます」
「お、おう、そうか…うん、何か照れるな…」
どきまぎする雪男にしたり顔の朧は、眼下の森に無数の光が見えて覗き込む。
「きれい…」
「蛍だな、まだ残ってたのか」
「母様から屋敷の庭によく来るって聞いていたのですが」
「ああ、池の辺りには居たぞ。…この辺りなら近いし、今度ふたりで見に行くか」
「え…でも…」
「こっそりな。こっそり」
逢瀬の約束。
はじめてのふたりきりの遠出に胸躍り、こっそり抱きついた。
やはり女は格好の狙い目らしく、朧に向かってくる。
結果的に前に乗っている朧の腰を雪男が抱く形で戦うしかなく、片手だが安安と倒して行く様に、朧の心臓は悲鳴を上げていた。
雪月花を振るう度に息が漏れる音が聞こえるし、顔を上げれば戦いに興奮して目が輝いている雪男の表情に恍惚となってしまう。
「雪男!討ち漏らしたからそっちで対処しろ!」
「はいよっと!」
朔が注意を促し、雪男が向かってきた大型の犬のような獣を一撃で仕留めた。
「お師匠様、私邪魔じゃないですか?」
「あーお前位なら全然平気だよ」
「何か…見たことない表情してる」
「え?俺が?ああ、まあちょっと血湧き肉躍ってるのは確かだな。目が血走ってるとか言いたいのか?」
周囲には大勢の百鬼が居るので滅多なことはできないし言えないので、胸元に掴まるふりをして顔を近付けると、声を潜めた。
「とってもきれいな目をしてます」
「お、おう、そうか…うん、何か照れるな…」
どきまぎする雪男にしたり顔の朧は、眼下の森に無数の光が見えて覗き込む。
「きれい…」
「蛍だな、まだ残ってたのか」
「母様から屋敷の庭によく来るって聞いていたのですが」
「ああ、池の辺りには居たぞ。…この辺りなら近いし、今度ふたりで見に行くか」
「え…でも…」
「こっそりな。こっそり」
逢瀬の約束。
はじめてのふたりきりの遠出に胸躍り、こっそり抱きついた。

