訪ねて来たのは雪男の母ーー
しかも雲行きは怪しく、雪男は心配ないと何度も言ってくれたが、不安は消えない。
心を落ち着けようと台所に向かう最中、居間で朔と何かしらの話をしている雪男を見つけた。
その場所からは横顔しか見えなかったが…
なんときれいで美しい男なのだろう、と見入ってしまう。
肌の色は透き通るように白いがひ弱な印象はなく、ちらりとみえる腕や脚ーー筋張っていてとても男らしく、見ているだけで胸が締め付けられてその場にうずくまってしまった。
「あなたが…朧様…?」
「!あなたは…」
心配そうに手を伸ばしてくる美女ーー名乗らなくとも雪男の母だと分かる。
顔を上げた朧を見てぎょっとしたその美女…氷麗は、懐から手拭いを出して朧に差し出した。
「さあ、涙を拭いて」
「え…」
知らぬ間に頰には涙が伝い、ありがたく手拭いを借りて拭いて立ち上がると、氷麗に頭を下げた。
「ありがとうございます。朧と申します」
「ええ、存じております。息子のお嫁さんだとか。…何故泣いていたのですか?」
「分かりません…。でも…あの人がきれいで…」
ーー氷麗の目から見ても息子は強くてきれいな自慢の子だったが、朧はそれを凌駕するほど美しく、弱い女には見えなかった。
先代に顔立ちがよく似ていて、これには参らない男は居ないだろうと率直に思った。
「朧様…お時間を頂きますが、私は何も無下に反対しているわけではありません」
「…はい…」
「あなた様の父上とも話をしなくては。しばらくお世話になりますが、仲良くいたしましょう」
曇っていた朧の顔が輝く。
可愛い娘だーー高慢ちきな女だったら猛反対しようと思っていたが、そんな思いは微塵も消えて散っていった。
しかも雲行きは怪しく、雪男は心配ないと何度も言ってくれたが、不安は消えない。
心を落ち着けようと台所に向かう最中、居間で朔と何かしらの話をしている雪男を見つけた。
その場所からは横顔しか見えなかったが…
なんときれいで美しい男なのだろう、と見入ってしまう。
肌の色は透き通るように白いがひ弱な印象はなく、ちらりとみえる腕や脚ーー筋張っていてとても男らしく、見ているだけで胸が締め付けられてその場にうずくまってしまった。
「あなたが…朧様…?」
「!あなたは…」
心配そうに手を伸ばしてくる美女ーー名乗らなくとも雪男の母だと分かる。
顔を上げた朧を見てぎょっとしたその美女…氷麗は、懐から手拭いを出して朧に差し出した。
「さあ、涙を拭いて」
「え…」
知らぬ間に頰には涙が伝い、ありがたく手拭いを借りて拭いて立ち上がると、氷麗に頭を下げた。
「ありがとうございます。朧と申します」
「ええ、存じております。息子のお嫁さんだとか。…何故泣いていたのですか?」
「分かりません…。でも…あの人がきれいで…」
ーー氷麗の目から見ても息子は強くてきれいな自慢の子だったが、朧はそれを凌駕するほど美しく、弱い女には見えなかった。
先代に顔立ちがよく似ていて、これには参らない男は居ないだろうと率直に思った。
「朧様…お時間を頂きますが、私は何も無下に反対しているわけではありません」
「…はい…」
「あなた様の父上とも話をしなくては。しばらくお世話になりますが、仲良くいたしましょう」
曇っていた朧の顔が輝く。
可愛い娘だーー高慢ちきな女だったら猛反対しようと思っていたが、そんな思いは微塵も消えて散っていった。

