「朔ちゃん」
あまり抑揚のない声に、文を書いていた筆を止めて顔を上げた朔は、内心来たか、と思いつつ笑いかけた。
「どうしたの」
「ううん、ずっと話してないなって思っただけ」
記憶もないような小さな時から知っている幼馴染み。
不憫な生まれから何かといっては世話を焼いてきた娘は今は幸せに暮らしている。
母には夫婦にと勧められたことが何度もあったが、そういう目で見たことはない。
「焔のことでしょ」
「え…違うよ」
「はい嘘ついた。お詫びに膝枕を所望する」
「ありがたき幸せ」
他愛なく笑い合い、若葉に膝枕をしてもらった朔は、見下ろしてくる若葉をじっと見る。
「親としては気になる?」
「うん、まあ…。朧ちゃんは焔のことどう思ってるのかな」
「いい奴だと思ってるんじゃないかな。本人同士に任せてればいいよ」
「そんな朔ちゃんはいい人は?」
「ははっ、目移りばかりして決められないんだ」
銀が見たら憤慨ものの光景だったが当人たちからしたら別に大したことないことで、やはり探りを入れてきた若葉の頰を軽くつねる。
「ぎんは大人しくしてる?浮気は?」
「朔ちゃん相変わらず心配性だね。ぎんちゃんは大丈夫だよ、私がこの姿になってからは浮気なんてしてないと思う」
悲恋では終わらなかったふたりの恋。
少し憧れを抱いていたことは秘密にして、少しの惰眠を貪る。
あまり抑揚のない声に、文を書いていた筆を止めて顔を上げた朔は、内心来たか、と思いつつ笑いかけた。
「どうしたの」
「ううん、ずっと話してないなって思っただけ」
記憶もないような小さな時から知っている幼馴染み。
不憫な生まれから何かといっては世話を焼いてきた娘は今は幸せに暮らしている。
母には夫婦にと勧められたことが何度もあったが、そういう目で見たことはない。
「焔のことでしょ」
「え…違うよ」
「はい嘘ついた。お詫びに膝枕を所望する」
「ありがたき幸せ」
他愛なく笑い合い、若葉に膝枕をしてもらった朔は、見下ろしてくる若葉をじっと見る。
「親としては気になる?」
「うん、まあ…。朧ちゃんは焔のことどう思ってるのかな」
「いい奴だと思ってるんじゃないかな。本人同士に任せてればいいよ」
「そんな朔ちゃんはいい人は?」
「ははっ、目移りばかりして決められないんだ」
銀が見たら憤慨ものの光景だったが当人たちからしたら別に大したことないことで、やはり探りを入れてきた若葉の頰を軽くつねる。
「ぎんは大人しくしてる?浮気は?」
「朔ちゃん相変わらず心配性だね。ぎんちゃんは大丈夫だよ、私がこの姿になってからは浮気なんてしてないと思う」
悲恋では終わらなかったふたりの恋。
少し憧れを抱いていたことは秘密にして、少しの惰眠を貪る。

