主さまの気まぐれ-百鬼夜行の王-【短編集】※次作鋭意考案中※

「なあ若葉、朔は俺の愛息を婿候補に呼んだくせに朧との仲介をしようとしない。何故だ」


「知らないよそんなこと。朔ちゃんに聞いてみたら?」


「聞いてものらりくらり交わして相手にしてくれん。ちょっとお前探りを…」


「やだ。第一、焔がその気じゃないんじゃないかな。放っておいたら」


干渉する銀と違って本人の意に任せている若葉は、不満そうにしている銀の耳を強く引っ張った。


「あんまり勝手に動いてると朔ちゃんに嫌われるよ」


「それは困る。頼み込んで百鬼に入れてもらったんだから外されるのは俺の矜持に…」


ぶつぶつ言っている銀の愚痴を聞いていると、どこからともなく焔がやって来て若葉の隣に座った。


「焔、ぎんちゃんが朧ちゃんとの仲はどうなってるのか知りたいんだって」


「特に進展はありませんが。ですが私が留守役の時は朝方まで語らうことは多いですね」


銀と若葉が顔を見合わせる。

あまり女に興味を示さない焔なのでそれは驚くべきことで、銀の目が輝いた。


「嫁にできそうか?」


「それは……進展があればお伝えいたします」


そしてまたふらっと居なくなり、若葉は銀のふわふわの尻尾を櫛で梳かしながら促した。


「好きにさせてあげれば?朔ちゃんにはなんとなく聞いておいてあげるから」


「それはありがたい。お前にならきっと隠し事などしないだろう」


機嫌の治った銀と共に夕暮れを見る。

転生してからまだまともに朔と話していなかったので、この後会いに行こうと思い、銀の肩に頭を乗せて目を閉じた。