「っくしょん!あー・・・風邪引いたかな…」
「お前の種族は風邪なんか引かないだろ」
朔から冷静に突っ込まれて鼻を擦った雪男は、どこかへ出かけていた朧が裏庭側から戻ってくるのを見つけると、首を傾げた。
「どこ行ってたんだろ?」
「母様に会いに行くと言ってた。大方、父様の様子でも聞きたかったんだろ」
その足取りは何故か重たく、もしや十六夜が反対に転じたのかと心配した雪男が手を振って呼び寄せた。
「朧ー、ちょっとこっち来い」
「!」
目が合うなり顔が真っ赤になり、朔と顔を見合わせた雪男はさらに傾けた首が鋭角になった。
「何だあれ・・・」
「さあ」
書物から顔を上げない朔に口を尖らせていると、朧がのろのろとやって来て縁側に腰掛ける。
「息吹に会いに行ってたんだろ?どうだった?」
「い、いえ・・・別に・・・」
もじもじして目をあわさないくせに手や唇には視線を感じるーーが、腕を組んでじっと待っていると、辺りを見回してこそっと囁いた。
「父様は問題ないそうです」
「おお・・・じゃあ・・・」
ーーよもや床入れの所作を倣ったと言うわけにもいかず、それだけ告げると足早に自室に戻ってしまい、ぽかんとしつつぼそり。
「俺・・・未だに女心が分かんねえ・・・」
「おい朔」
突然屋根の上から声がかかり、ひらりと舞い降りた銀が腰に手を当てて不機嫌そうに言い放った。
「何か俺に隠し事してないか?」
「してない。何だ急に」
「最近雪男とこそこそしてたり急に仲良くなったり・・・おかしいだろうが」
「元々仲は良い。何せ俺の教育係だったんだぞ。言いたいのはそれだけか」
「隠し事していることが俺にばれたらいじめてやるからな」
感づかれていることにひやりとしたが、朔は涼しい顔で鼻を鳴らした。
「誰しも隠し事のひとつやふたつある」
朧の様子が気にかかったが、今会いに行くと銀の不信がさらに強まる恐れがあり、朔の傍らで寝転んだ雪男は澄んだ空を見上げた。
「あー・・・暑い・・・」
もうすぐ夏が終わる。
「お前の種族は風邪なんか引かないだろ」
朔から冷静に突っ込まれて鼻を擦った雪男は、どこかへ出かけていた朧が裏庭側から戻ってくるのを見つけると、首を傾げた。
「どこ行ってたんだろ?」
「母様に会いに行くと言ってた。大方、父様の様子でも聞きたかったんだろ」
その足取りは何故か重たく、もしや十六夜が反対に転じたのかと心配した雪男が手を振って呼び寄せた。
「朧ー、ちょっとこっち来い」
「!」
目が合うなり顔が真っ赤になり、朔と顔を見合わせた雪男はさらに傾けた首が鋭角になった。
「何だあれ・・・」
「さあ」
書物から顔を上げない朔に口を尖らせていると、朧がのろのろとやって来て縁側に腰掛ける。
「息吹に会いに行ってたんだろ?どうだった?」
「い、いえ・・・別に・・・」
もじもじして目をあわさないくせに手や唇には視線を感じるーーが、腕を組んでじっと待っていると、辺りを見回してこそっと囁いた。
「父様は問題ないそうです」
「おお・・・じゃあ・・・」
ーーよもや床入れの所作を倣ったと言うわけにもいかず、それだけ告げると足早に自室に戻ってしまい、ぽかんとしつつぼそり。
「俺・・・未だに女心が分かんねえ・・・」
「おい朔」
突然屋根の上から声がかかり、ひらりと舞い降りた銀が腰に手を当てて不機嫌そうに言い放った。
「何か俺に隠し事してないか?」
「してない。何だ急に」
「最近雪男とこそこそしてたり急に仲良くなったり・・・おかしいだろうが」
「元々仲は良い。何せ俺の教育係だったんだぞ。言いたいのはそれだけか」
「隠し事していることが俺にばれたらいじめてやるからな」
感づかれていることにひやりとしたが、朔は涼しい顔で鼻を鳴らした。
「誰しも隠し事のひとつやふたつある」
朧の様子が気にかかったが、今会いに行くと銀の不信がさらに強まる恐れがあり、朔の傍らで寝転んだ雪男は澄んだ空を見上げた。
「あー・・・暑い・・・」
もうすぐ夏が終わる。

