何とか文を書き終えた雪男は、白雷に会いに来ていた晴明に立ったまま激しく見下ろしながら文を差し出した。
「急ぎで届けてくれ」
「ほう、それがそなたの種族のものの頼み方か」
「すみません許してください式神を貸して下さい」
晴明に口で勝てる者など存在しないのですぐ謝ると、晴明は微笑しながら受け取って驚きの一言を発した。
「難攻不落の十六夜を負かすとは恐れ入る。さぞ苦労しただろう?」
「そうなんだよ中々認めてもらえなくて…って何で知ってるんだよ!」
「ここそこに私の烏が居るのだ。隠し事など不要」
「はあ…まあ…いいか…。で、先代はその…何か言ってたか?」
「祝言に良き日を教えろと言われたよ。ではあれか、凍死や焼死問題は解決したのだな」
のんびり茶を啜ってはいるが、恐ろしき地獄耳と知識。
十六夜が認めてくれようとしているのを実感した雪男は、頷いて傍に座った。
「人と交わる、か。近年ではなかったことだ。半妖の朔が百鬼夜行を率いれているのだから、そういう時代になったんだねえ」
「主さまにも散々大切にしろとか言われてるし、身内の監視が半端なさそうなんだよな」
「嫁を迎えた後もそなたはここに住み続けるつもりか?ここは朔の住処。それは少々違うような気がするが」
ーーそんな問題を考えたこともなかった雪男は、口に手を当てて考え込んだ。
「考えたこともなかったな…」
「屋敷を借りて通ったり、朔の弟妹のように稼業に裏方から関わるか、選択は結構ありそうだねえ」
ここから離れる…?
選択肢は多けれど、ここから離れるという想像をしたこともなかった雪男は、髪をかきながら肩を竦めた。
「その辺は朧と相談するよ」
「私の孫なのだ。何かあったらただでは済むまいぞ」
…そしてここでも、脅し。
「急ぎで届けてくれ」
「ほう、それがそなたの種族のものの頼み方か」
「すみません許してください式神を貸して下さい」
晴明に口で勝てる者など存在しないのですぐ謝ると、晴明は微笑しながら受け取って驚きの一言を発した。
「難攻不落の十六夜を負かすとは恐れ入る。さぞ苦労しただろう?」
「そうなんだよ中々認めてもらえなくて…って何で知ってるんだよ!」
「ここそこに私の烏が居るのだ。隠し事など不要」
「はあ…まあ…いいか…。で、先代はその…何か言ってたか?」
「祝言に良き日を教えろと言われたよ。ではあれか、凍死や焼死問題は解決したのだな」
のんびり茶を啜ってはいるが、恐ろしき地獄耳と知識。
十六夜が認めてくれようとしているのを実感した雪男は、頷いて傍に座った。
「人と交わる、か。近年ではなかったことだ。半妖の朔が百鬼夜行を率いれているのだから、そういう時代になったんだねえ」
「主さまにも散々大切にしろとか言われてるし、身内の監視が半端なさそうなんだよな」
「嫁を迎えた後もそなたはここに住み続けるつもりか?ここは朔の住処。それは少々違うような気がするが」
ーーそんな問題を考えたこともなかった雪男は、口に手を当てて考え込んだ。
「考えたこともなかったな…」
「屋敷を借りて通ったり、朔の弟妹のように稼業に裏方から関わるか、選択は結構ありそうだねえ」
ここから離れる…?
選択肢は多けれど、ここから離れるという想像をしたこともなかった雪男は、髪をかきながら肩を竦めた。
「その辺は朧と相談するよ」
「私の孫なのだ。何かあったらただでは済むまいぞ」
…そしてここでも、脅し。

