ひとつひとつ確実に手柄を上げるーー
朔の隣で周囲を油断なく見回している雪男は頼もしく、また信頼が厚く面倒見も良いので、仲間からとても頼られることが多くなった。
銀と焔も交代で朔の隣に立つのでそうなると見栄えも大変良く、毎夜の百鬼夜行は随従を希望する者が多く、くじ引きなども行われていた。
「朧の件だが」
朔がひそりと声をかけてきたので遠くを見ているふりをしながら雪男が応えた。
「ん?」
「父様の耳にお前の評判が入っているようだ」
「おお…それは良い意味で?」
「もちろん。呼び出される日も近いぞ」
「そう来なくちゃ。でないと…俺が悪戯されて大変だからな…」
悪戯と聞いた朔が目をまん丸にして刀の鞘で雪男の肩をやや強く叩く。
「朧がお前に?逆じゃなくて?」
「俺が!悪戯されてんの!」
「どの程度の悪戯だ。まさか事に及んでいるんじゃないだろうな」
ーー側から見ると朔が雪男を問い詰めているように見えていて、少し遠くにいた銀が耳をぴょこぴょこ動かして聞き耳を立てていた。
「してねえっつの。まあ…全然ってわけじゃないけど最終的なことはして…ません…」
つい敬語になった雪男に吹き出した朔は、雪男の肩を抱いてにこっと笑った。
「俺の妹なんだから、大事にしてもらわないと困るぞ」
「わ、分かってます。大切にします…」
「ひいてはお前の母親を近いうち呼び寄せろ。話をしたい」
故郷に居る母親を呼び出せるーー祝言が現実的になってきて、雪男の口元が緩んだ。
「まだ油断するなよ。とにかく今は手柄だ」
「おう」
長い人生で一度きりの伴侶。
自然とやる気も起こり、振るう雪月花はいつにも増して鋭く輝きを放つ。
朔の隣で周囲を油断なく見回している雪男は頼もしく、また信頼が厚く面倒見も良いので、仲間からとても頼られることが多くなった。
銀と焔も交代で朔の隣に立つのでそうなると見栄えも大変良く、毎夜の百鬼夜行は随従を希望する者が多く、くじ引きなども行われていた。
「朧の件だが」
朔がひそりと声をかけてきたので遠くを見ているふりをしながら雪男が応えた。
「ん?」
「父様の耳にお前の評判が入っているようだ」
「おお…それは良い意味で?」
「もちろん。呼び出される日も近いぞ」
「そう来なくちゃ。でないと…俺が悪戯されて大変だからな…」
悪戯と聞いた朔が目をまん丸にして刀の鞘で雪男の肩をやや強く叩く。
「朧がお前に?逆じゃなくて?」
「俺が!悪戯されてんの!」
「どの程度の悪戯だ。まさか事に及んでいるんじゃないだろうな」
ーー側から見ると朔が雪男を問い詰めているように見えていて、少し遠くにいた銀が耳をぴょこぴょこ動かして聞き耳を立てていた。
「してねえっつの。まあ…全然ってわけじゃないけど最終的なことはして…ません…」
つい敬語になった雪男に吹き出した朔は、雪男の肩を抱いてにこっと笑った。
「俺の妹なんだから、大事にしてもらわないと困るぞ」
「わ、分かってます。大切にします…」
「ひいてはお前の母親を近いうち呼び寄せろ。話をしたい」
故郷に居る母親を呼び出せるーー祝言が現実的になってきて、雪男の口元が緩んだ。
「まだ油断するなよ。とにかく今は手柄だ」
「おう」
長い人生で一度きりの伴侶。
自然とやる気も起こり、振るう雪月花はいつにも増して鋭く輝きを放つ。

