朧の部屋へ行くと、床には居たが羽織を肩にかけて起き上がっていた。
顔色も良く、ほっとした雪男は傍に腰掛けて笑いかける。
「具合はどうだ?」
「もう大丈夫です。あの…私、昨晩の記憶が、ほとんどなくて…」
「あ、あー…そうなんだ…。いや、まあごめんっつーか…ごめんな」
何故か二度謝った雪男の少し赤くなった顔を見て怪訝そうな表情になると、畳んで置いていた浴衣を指した。
「あのさ、すごく汗かいててさ、それでそのー…俺が着替えさせ…ました…」
一瞬間を置いて朧が同じように赤くなって胸元をぎゅっと握ると、さらに雪男は動揺して口をあわあわさせた。
「きょっ、極力見ないようにした!じろじろ見てないし、その…すいませんでした」
「看病して下さったんですよね?私の方こそありがとうございました」
「…後さ…」
「え?」
手を伸ばしたり引っ込めたりしていた雪男が意を決して朧の手折れそうな細い指をぎゅっと握ると、朧が驚きに目を見張る。
「…冷たく…ない…?」
「この際だからちゃんと言う。…俺はお前が好きだ。惚れてる。嫁さんにしたいって思ってる。お前も同じ気持ちだから、俺の手を冷たく感じないし、俺も熱く感じない。…そうだろ?」
ーー小さな時から好きだった男からの告白に、朧の目がみるみる潤む。
言葉に嘘がないことは、体温で如実に分かる。
朧はこくんと頷いて手を握り返すと、視界がぼやけながらも不安そうに待っている雪男に微笑んだ。
「昔からあなたのことが好きでした。私を…あなたのお嫁さんにして下さい…」
腕に飛び込んできた朧を壊れないように抱きしめて、耳元で囁く。
「さっき主さまにじじいって言われちゃったんだけど、歳の差結構あるけど…」
「そんなの関係ありません。…後で兄様を叱らなくちゃ」
「ええと…後さ…手を出しちゃいけないって釘刺されたからちゃんと許しが貰えるまでは我慢ってことで…」
朧は顔を上げると、雪男の胸を押して押し倒し、驚きに開いた唇に唇を重ねて雪男を硬直させた。
「ちょ…おいっ」
「お師匠様からは手を出せなくても私から出すのは止められてません。……好き…」
ーーさすがはあの十六夜の娘。
押しの強さに理性が散り散りになりそうになりながら、深いため息が漏れた。
「あの…ほんと俺殺されちゃうから勘弁して…」
「じゃあ私も我慢します。だから早くお嫁さんにして下さい」
体温が心地いい。
それがどんなに素晴らしいことか、噛み締めながら朧を抱きしめる。
顔色も良く、ほっとした雪男は傍に腰掛けて笑いかける。
「具合はどうだ?」
「もう大丈夫です。あの…私、昨晩の記憶が、ほとんどなくて…」
「あ、あー…そうなんだ…。いや、まあごめんっつーか…ごめんな」
何故か二度謝った雪男の少し赤くなった顔を見て怪訝そうな表情になると、畳んで置いていた浴衣を指した。
「あのさ、すごく汗かいててさ、それでそのー…俺が着替えさせ…ました…」
一瞬間を置いて朧が同じように赤くなって胸元をぎゅっと握ると、さらに雪男は動揺して口をあわあわさせた。
「きょっ、極力見ないようにした!じろじろ見てないし、その…すいませんでした」
「看病して下さったんですよね?私の方こそありがとうございました」
「…後さ…」
「え?」
手を伸ばしたり引っ込めたりしていた雪男が意を決して朧の手折れそうな細い指をぎゅっと握ると、朧が驚きに目を見張る。
「…冷たく…ない…?」
「この際だからちゃんと言う。…俺はお前が好きだ。惚れてる。嫁さんにしたいって思ってる。お前も同じ気持ちだから、俺の手を冷たく感じないし、俺も熱く感じない。…そうだろ?」
ーー小さな時から好きだった男からの告白に、朧の目がみるみる潤む。
言葉に嘘がないことは、体温で如実に分かる。
朧はこくんと頷いて手を握り返すと、視界がぼやけながらも不安そうに待っている雪男に微笑んだ。
「昔からあなたのことが好きでした。私を…あなたのお嫁さんにして下さい…」
腕に飛び込んできた朧を壊れないように抱きしめて、耳元で囁く。
「さっき主さまにじじいって言われちゃったんだけど、歳の差結構あるけど…」
「そんなの関係ありません。…後で兄様を叱らなくちゃ」
「ええと…後さ…手を出しちゃいけないって釘刺されたからちゃんと許しが貰えるまでは我慢ってことで…」
朧は顔を上げると、雪男の胸を押して押し倒し、驚きに開いた唇に唇を重ねて雪男を硬直させた。
「ちょ…おいっ」
「お師匠様からは手を出せなくても私から出すのは止められてません。……好き…」
ーーさすがはあの十六夜の娘。
押しの強さに理性が散り散りになりそうになりながら、深いため息が漏れた。
「あの…ほんと俺殺されちゃうから勘弁して…」
「じゃあ私も我慢します。だから早くお嫁さんにして下さい」
体温が心地いい。
それがどんなに素晴らしいことか、噛み締めながら朧を抱きしめる。

