翌朝、自室である地下の氷室から出て上へ上がると、風呂上がりでまだ髪が濡れている朔と、尻尾を揺らしてやけに上機嫌な銀と、そして先代である十六夜が縁側で酒盛りをしていた。
「朝っぱらからなにやってんだよ」
「いやなに、十六夜が娘の初の百鬼夜行で何か起こりはしないかと心配してな、こうなった次第だ」
「雪男、お前も加われ。昨晩はご苦労だったな」
朔に労われて隣に座ると、元々目つきの悪い十六夜が前のめりになって雪男に顔を近付けた。
「…何もしてないだろうな?」
「はっ!?な、なんのことを言って…」
「十六夜、雪男は朧を守って負傷したんだ。労いの言葉くらいかけてやれ」
「……大儀だったな」
「まあそのために俺がついていったんだし、盾位にはならないとな」
「ところで俺は久々に雪月花を見た。実力は疑っていなかったが、お前は前線でも十分使える」
先代の時代から家守として仕えていたので百鬼夜行に出ることは滅多にない。
朔は十六夜と違って部下をよく褒める方なので鼻を高くしているとーー
「うおっ!?ちょ、銀っ、何すんだよ!」
「お前とは百鬼筆頭の座をいつか争わなければならんと思っていたんだ。俺も雪月花を見たいし、ほれ、いざ尋常に」
突然刀を抜いて横に凪いだその軌道を仰け反ってかろうじて避けると、十六夜も朔も止めに入らずむしろどうぞと言わんばかりに盃を口に運ぶ。
「いいぞもっとやれ」
「主さまこいつを止めてくれって!第一筆頭だの何だの俺には興味ないんだ!」
「ぎんに勝ったらなんでも褒美をやるぞ」
その一言で、銀の間合いから抜け出して腰を落として臨戦態勢だった雪男が朔に目を向けた。
「父様、いいですよね?」
「……好きにしろ」
何でもーー
例えばそれが、可愛いあの娘でも?
「朝っぱらからなにやってんだよ」
「いやなに、十六夜が娘の初の百鬼夜行で何か起こりはしないかと心配してな、こうなった次第だ」
「雪男、お前も加われ。昨晩はご苦労だったな」
朔に労われて隣に座ると、元々目つきの悪い十六夜が前のめりになって雪男に顔を近付けた。
「…何もしてないだろうな?」
「はっ!?な、なんのことを言って…」
「十六夜、雪男は朧を守って負傷したんだ。労いの言葉くらいかけてやれ」
「……大儀だったな」
「まあそのために俺がついていったんだし、盾位にはならないとな」
「ところで俺は久々に雪月花を見た。実力は疑っていなかったが、お前は前線でも十分使える」
先代の時代から家守として仕えていたので百鬼夜行に出ることは滅多にない。
朔は十六夜と違って部下をよく褒める方なので鼻を高くしているとーー
「うおっ!?ちょ、銀っ、何すんだよ!」
「お前とは百鬼筆頭の座をいつか争わなければならんと思っていたんだ。俺も雪月花を見たいし、ほれ、いざ尋常に」
突然刀を抜いて横に凪いだその軌道を仰け反ってかろうじて避けると、十六夜も朔も止めに入らずむしろどうぞと言わんばかりに盃を口に運ぶ。
「いいぞもっとやれ」
「主さまこいつを止めてくれって!第一筆頭だの何だの俺には興味ないんだ!」
「ぎんに勝ったらなんでも褒美をやるぞ」
その一言で、銀の間合いから抜け出して腰を落として臨戦態勢だった雪男が朔に目を向けた。
「父様、いいですよね?」
「……好きにしろ」
何でもーー
例えばそれが、可愛いあの娘でも?

