水も滴るいい男ーーまさにそれを体現している雪男に見惚れた朧は、朔のふっと息を吐いた笑いで我に返り、助けを求めた。
「兄様、雪男は得物を持っていません!」
「持っていないようで持ってるから大丈夫」
「え…?」
変質して並の妖よりも強い力を蓄えた雨降らしは、一見無防備に見える雪男を前に攻撃を仕掛けられないでいた。
それもこれもーー雪男の身体が淡く白く発光して、陽炎のように光が立ち込めていたこ からだ。
「ああ…昂ぶってきた」
だらりと下げていた右の掌を雨降らしに見せるように翳す。
「お前が降らしてるその雨、俺にとっては糧みたいなもんだからな」
「なんだ、と…?」
翳した掌に急速に光が集まって細長い形を取りつつあった。
空気が冷え、氷の結晶が飛ぶように舞い、口角を上げて笑った雪男にまた見惚れた朧は、視線を外さずに白い息を吐いて朔に尋ねた。
「あれは…!?」
「あれが雪男の得物だよ。いつでもどこでも空気や水から刀を作り出すことができる。ぎんが言っていた雪月花だ」
六角の氷の結晶が絶えず雪男の周囲を舞い、慌てた雨降らしが雨を止ませて叫ぶ。
「俺に構うな!もっと人を食って強くなってやる!」
「好きなだけ吠えろ。満足したら俺が引導渡してやる。女に攻撃するなんて下衆のやることだ」
「あいつ、盛り上がってきたな」
「兄様?」
「元々あいつは好戦的で一族きっての武の者。だからこそ留守を任せることができる。お前を襲われそうになって振り切れたな」
雪男の新たな一面に、半分流れる妖の血が体内で叫ぶ。
強い男が欲しい、と。
「兄様、雪男は得物を持っていません!」
「持っていないようで持ってるから大丈夫」
「え…?」
変質して並の妖よりも強い力を蓄えた雨降らしは、一見無防備に見える雪男を前に攻撃を仕掛けられないでいた。
それもこれもーー雪男の身体が淡く白く発光して、陽炎のように光が立ち込めていたこ からだ。
「ああ…昂ぶってきた」
だらりと下げていた右の掌を雨降らしに見せるように翳す。
「お前が降らしてるその雨、俺にとっては糧みたいなもんだからな」
「なんだ、と…?」
翳した掌に急速に光が集まって細長い形を取りつつあった。
空気が冷え、氷の結晶が飛ぶように舞い、口角を上げて笑った雪男にまた見惚れた朧は、視線を外さずに白い息を吐いて朔に尋ねた。
「あれは…!?」
「あれが雪男の得物だよ。いつでもどこでも空気や水から刀を作り出すことができる。ぎんが言っていた雪月花だ」
六角の氷の結晶が絶えず雪男の周囲を舞い、慌てた雨降らしが雨を止ませて叫ぶ。
「俺に構うな!もっと人を食って強くなってやる!」
「好きなだけ吠えろ。満足したら俺が引導渡してやる。女に攻撃するなんて下衆のやることだ」
「あいつ、盛り上がってきたな」
「兄様?」
「元々あいつは好戦的で一族きっての武の者。だからこそ留守を任せることができる。お前を襲われそうになって振り切れたな」
雪男の新たな一面に、半分流れる妖の血が体内で叫ぶ。
強い男が欲しい、と。

