銀は髪が長いが、息子の焔は短く朔に似ているように感じる。
やたら背が高く、小さかった頃の面影が全くなかったので、雪男は歩み寄ってくる焔を怪訝な顔で見つめた。
「主さま」
「焔、お前大きくなったものだな。息災だったか?」
「はい。各地を放浪していた所、父に呼び戻されました」
「放浪癖は父譲りのようだな。で、経緯は聞いたな?」
朧を嫁にーー
雪男には手出しできない話の進めように、事情通の銀がずっと含み笑いを浮かべている。
焔は朔の眼前で膝を折ると、尊敬に満ちた眼差しで朔を見上げた。
「敬愛する主さまの妹御ならば喜んで」
「いや、それじゃ困るんだ。俺は妹を心から愛してくれる男に嫁がせたい。何せ俺の父も俺も溺愛している姫だからな」
恥ずかしげもなく言い切る朔に焔は一瞬思案して視線を落とす。
「美しい娘です。俺は主さまの頼みならば何でも喜んでお受けしようと…」
「うん、だからしばらく滞在して朧と話をしてみてくれ。あれは内面もよくできた子だ。互いに好き合う仲になれば俺も口出しはしない」
どんどん進んでいく話を息を詰めて見ていた雪男の肩に銀の腕がのしっと乗っかる。
「お前の恋路を邪魔したいわけじゃないぞ。朔の頼みだから来てやったんだからな」
「…ふん、俺は関係ねえよ」
強がりを言い、焔の朔に対する崇拝ぶりに若干引きながら、朔や銀から格好の酒の肴に今後されることなど知る由もなく、今日も雪男は悶々とする。
やたら背が高く、小さかった頃の面影が全くなかったので、雪男は歩み寄ってくる焔を怪訝な顔で見つめた。
「主さま」
「焔、お前大きくなったものだな。息災だったか?」
「はい。各地を放浪していた所、父に呼び戻されました」
「放浪癖は父譲りのようだな。で、経緯は聞いたな?」
朧を嫁にーー
雪男には手出しできない話の進めように、事情通の銀がずっと含み笑いを浮かべている。
焔は朔の眼前で膝を折ると、尊敬に満ちた眼差しで朔を見上げた。
「敬愛する主さまの妹御ならば喜んで」
「いや、それじゃ困るんだ。俺は妹を心から愛してくれる男に嫁がせたい。何せ俺の父も俺も溺愛している姫だからな」
恥ずかしげもなく言い切る朔に焔は一瞬思案して視線を落とす。
「美しい娘です。俺は主さまの頼みならば何でも喜んでお受けしようと…」
「うん、だからしばらく滞在して朧と話をしてみてくれ。あれは内面もよくできた子だ。互いに好き合う仲になれば俺も口出しはしない」
どんどん進んでいく話を息を詰めて見ていた雪男の肩に銀の腕がのしっと乗っかる。
「お前の恋路を邪魔したいわけじゃないぞ。朔の頼みだから来てやったんだからな」
「…ふん、俺は関係ねえよ」
強がりを言い、焔の朔に対する崇拝ぶりに若干引きながら、朔や銀から格好の酒の肴に今後されることなど知る由もなく、今日も雪男は悶々とする。

