「女ってさ…ぐにゃぐにゃしてて柔らかいよな」
「…………」
屋敷に戻って来て早々、既視感を覚える雪男の言葉に、朔は茶を飲み干してぷいっと顔を背けた。
「お前の恋話なんかに興味ない」
「そう言うなよ…俺だってまだ動揺してるんだからさ…」
ーー二人の間に何かあったのは確かなのだろうが、なにぶん朔にとっては雪男の相手が実妹なので複雑な気持ちだった。
はじめて恋をした少年のように頬を赤らめて言われると、からかってやりたくもなる。
「嫁入り前の娘に手なんか出さないだろうな?」
「え…えっ?!」
「…まさかもう出したのか?」
「い、いや、そんな手なんか……」
「妖は貞操観念がないが、朧は母様が人としての概念を教え込んでいる。操は嫁に出るまで守り通すだろうな」
貞操観念…操
想像してまた慌て出す雪男がそこまで至っていないことを確認した朔は、空に昇り始めた陽を見上げて目を細めた。
「まあでも強い男には本能的に惹かれる。それは妖としての本性だ。お前は朧の前で戦ったことなんかないだろう?」
「…俺は百鬼夜行に出ないからな」
「朧には嫁入り前に様々な世界を見せるべきだと思っている。百鬼には強い男も多く居るからな」
「その件に関しては提案がある」
真面目な顔つきで見つめてくる雪男をまじまじ見ていると、朧がひょこっと顔を出した。
「兄様」
雪男と朧の目が合う。
ぱっと視線を逸らした朧に、雪男は意識されていることを感じて嬉しくなり、口を開こうとした、その時ーー
突然、それはやって来た。
「…………」
屋敷に戻って来て早々、既視感を覚える雪男の言葉に、朔は茶を飲み干してぷいっと顔を背けた。
「お前の恋話なんかに興味ない」
「そう言うなよ…俺だってまだ動揺してるんだからさ…」
ーー二人の間に何かあったのは確かなのだろうが、なにぶん朔にとっては雪男の相手が実妹なので複雑な気持ちだった。
はじめて恋をした少年のように頬を赤らめて言われると、からかってやりたくもなる。
「嫁入り前の娘に手なんか出さないだろうな?」
「え…えっ?!」
「…まさかもう出したのか?」
「い、いや、そんな手なんか……」
「妖は貞操観念がないが、朧は母様が人としての概念を教え込んでいる。操は嫁に出るまで守り通すだろうな」
貞操観念…操
想像してまた慌て出す雪男がそこまで至っていないことを確認した朔は、空に昇り始めた陽を見上げて目を細めた。
「まあでも強い男には本能的に惹かれる。それは妖としての本性だ。お前は朧の前で戦ったことなんかないだろう?」
「…俺は百鬼夜行に出ないからな」
「朧には嫁入り前に様々な世界を見せるべきだと思っている。百鬼には強い男も多く居るからな」
「その件に関しては提案がある」
真面目な顔つきで見つめてくる雪男をまじまじ見ていると、朧がひょこっと顔を出した。
「兄様」
雪男と朧の目が合う。
ぱっと視線を逸らした朧に、雪男は意識されていることを感じて嬉しくなり、口を開こうとした、その時ーー
突然、それはやって来た。

