「雪男の手って…大きいよね」
「……うん?」
百鬼夜行に出る前唐突に朧が漏らした言葉で朔の茶を飲む手が止まった。
何だか恥ずかしそうに俯いている朧は話を聞いてほしいような素ぶりだったので、座椅子の背もたれに身体を預けながら朔が促す。
「雪男がどうかした?そういえばさっきから見当たらないな」
「よっ、呼ばなくていいの。兄様…変なこと言ってごめんなさい。煩わせるつもりじゃなかったの」
「お前を困らせてるのならすぐ言うんだよ」
頷いた朧に思案顔を浮かべた朔は、気付かれない程度に小さくため息をつく。
朧には同年代、もしくは恋話をするような友が居ない。
男には話せないことも沢山あるはずだし、ましてや今は一番大切な時期かもしれない。
「まあそれもすぐ解消するか」
「え?」
「何でもないよ。じゃあ行ってくる」
毎夜百鬼夜行に出かける朔を見送り、それまで顔を合わせていない雪男に想いを馳せる。
避けられているような気がするから、こちらから会いに行くことができないーー
あの腕の感触も息遣いもまだ覚えている。
一瞬でも幸せだった時は、雪男にとってはどうだったのだろうか?
単にぎゅっとしたかっただけなのか、それとも少しは女として意識してくれたのだろうか?
「何考えてるのか全然分かんない…」
ーーほぼ同時に朧と雪男はそう呟いていた。
「……うん?」
百鬼夜行に出る前唐突に朧が漏らした言葉で朔の茶を飲む手が止まった。
何だか恥ずかしそうに俯いている朧は話を聞いてほしいような素ぶりだったので、座椅子の背もたれに身体を預けながら朔が促す。
「雪男がどうかした?そういえばさっきから見当たらないな」
「よっ、呼ばなくていいの。兄様…変なこと言ってごめんなさい。煩わせるつもりじゃなかったの」
「お前を困らせてるのならすぐ言うんだよ」
頷いた朧に思案顔を浮かべた朔は、気付かれない程度に小さくため息をつく。
朧には同年代、もしくは恋話をするような友が居ない。
男には話せないことも沢山あるはずだし、ましてや今は一番大切な時期かもしれない。
「まあそれもすぐ解消するか」
「え?」
「何でもないよ。じゃあ行ってくる」
毎夜百鬼夜行に出かける朔を見送り、それまで顔を合わせていない雪男に想いを馳せる。
避けられているような気がするから、こちらから会いに行くことができないーー
あの腕の感触も息遣いもまだ覚えている。
一瞬でも幸せだった時は、雪男にとってはどうだったのだろうか?
単にぎゅっとしたかっただけなのか、それとも少しは女として意識してくれたのだろうか?
「何考えてるのか全然分かんない…」
ーーほぼ同時に朧と雪男はそう呟いていた。

