「そうだ、息吹に会いに行こう・・・」
そうすれば、自分の想いは息吹一筋だと分かるはずだーー
・・・ただし、もれなく先代も一緒だが、最早構うまい。
夏の日差しは正直言ってかなり体力を消耗するが、雪男は決心を決めて番傘を差し、屋敷を出る。
先代たちが住んでいる屋敷はそう遠くない所にあるが、途中出店の前を通らなくてはいけないので人目は避けられない。
妖が治める街とはいえ日中は皆寝ているので出歩くことはなく、出歩いているのは力が強く美しい妖に限られている。
つまり雪男もそれにあたり、番傘を差しているとはいえ透き通るように白い肌と真っ青な髪の雪男は目立ち、娘たちの好奇の視線に晒されていたが、それは一切視界に入ることなく早足で屋敷を目指す。
そして少し奥まった場所にある結界付きの屋敷に着くと、庭で花の手入れをしていた息吹を見つけた。
・・・相変わらずきれいで可愛らしい、と思ったがーー慕情だとか恋い焦がれるとか、そういうものとは違うような気がして立ちすくむ。
「あれ?雪ちゃん?」
「よ、よう。ちょっと近くまで来たから寄ってみようと思ってさ」
「そうなんだ?主さま・・・じゃなかった、十六夜さんは今留守だけど良かったら上がって行って」
「留守?珍しいこともあるんだな」
「ちょっと嬉しいことがあってね。わあ、雪ちゃんがここに来てくれるなんて本当に珍しいねっ」
近くまで来たから、と嘘を言ったが息吹は喜んでくれる。
息吹に会えばきっと恋しさに言葉を失うかもしれないーーと半ば期待していたが・・・
雪男の求めていたものは、やって来なかった。
そうすれば、自分の想いは息吹一筋だと分かるはずだーー
・・・ただし、もれなく先代も一緒だが、最早構うまい。
夏の日差しは正直言ってかなり体力を消耗するが、雪男は決心を決めて番傘を差し、屋敷を出る。
先代たちが住んでいる屋敷はそう遠くない所にあるが、途中出店の前を通らなくてはいけないので人目は避けられない。
妖が治める街とはいえ日中は皆寝ているので出歩くことはなく、出歩いているのは力が強く美しい妖に限られている。
つまり雪男もそれにあたり、番傘を差しているとはいえ透き通るように白い肌と真っ青な髪の雪男は目立ち、娘たちの好奇の視線に晒されていたが、それは一切視界に入ることなく早足で屋敷を目指す。
そして少し奥まった場所にある結界付きの屋敷に着くと、庭で花の手入れをしていた息吹を見つけた。
・・・相変わらずきれいで可愛らしい、と思ったがーー慕情だとか恋い焦がれるとか、そういうものとは違うような気がして立ちすくむ。
「あれ?雪ちゃん?」
「よ、よう。ちょっと近くまで来たから寄ってみようと思ってさ」
「そうなんだ?主さま・・・じゃなかった、十六夜さんは今留守だけど良かったら上がって行って」
「留守?珍しいこともあるんだな」
「ちょっと嬉しいことがあってね。わあ、雪ちゃんがここに来てくれるなんて本当に珍しいねっ」
近くまで来たから、と嘘を言ったが息吹は喜んでくれる。
息吹に会えばきっと恋しさに言葉を失うかもしれないーーと半ば期待していたが・・・
雪男の求めていたものは、やって来なかった。

