先程の事実がじわじわと不安をかき立てる。
女と付き合ったことはない・・・などと思ったことはないが、意外と遊んでいたとなると話は別だ。
台所で味噌汁をぼうっとしながら作っていると、ぐつぐつ煮立った味噌汁のように怒りが吹き上げる。
「男の人ってこれだから・・・!」
父の十六夜も母と出会うまでは遊んでいたと色んな人から聞くし、朔だって隠すのが上手なだけで遊んでいるかもしれないーー
昔のこととはいえ朧にとっては何か裏切られたような気分がして煮立つ味噌汁を見つめていると、背後から手が伸びて鍋を火から遠ざけた。
「こら、危ないだろ」
「・・・こんなに火に近付いたら溶けちゃいますよ」
「お前が火傷しないか心配してやったんだろ」
火に弱い雪男は台所に入ってくることが滅多にない。
俯いたまま顔を上げない朧の顔をのぞき込むと、朧は唇を尖らせてむくれていた。
「なーに膨れてんだ」
「何でもないです。ちょ、どいて下さい」
身体をひねって背後に立つ雪男から逃れようとすると、突然両手を壁について退路を断たれて顔を上げる。
するとーー唇が触れ合うような距離で雪男の真っ青な目が心配の光に瞬いていた。
「俺に言えないようなことか?」
「・・・私にだって悩み事のひとつやふたつあります」
「そうだろうけど、ひとりで悩んで突っ走ったりするなよ。俺はお前の世話役なんだから何でも頼れよ」
・・・あなたのことで悩んでるんですけど?
ーーきっと雪男を睨みつけると、真っ白な雪男の頬をきゅっとつねって腕を潜って脱出し、自室へと逃げ込む。
「・・・??」
雪男、きょとーん。
女と付き合ったことはない・・・などと思ったことはないが、意外と遊んでいたとなると話は別だ。
台所で味噌汁をぼうっとしながら作っていると、ぐつぐつ煮立った味噌汁のように怒りが吹き上げる。
「男の人ってこれだから・・・!」
父の十六夜も母と出会うまでは遊んでいたと色んな人から聞くし、朔だって隠すのが上手なだけで遊んでいるかもしれないーー
昔のこととはいえ朧にとっては何か裏切られたような気分がして煮立つ味噌汁を見つめていると、背後から手が伸びて鍋を火から遠ざけた。
「こら、危ないだろ」
「・・・こんなに火に近付いたら溶けちゃいますよ」
「お前が火傷しないか心配してやったんだろ」
火に弱い雪男は台所に入ってくることが滅多にない。
俯いたまま顔を上げない朧の顔をのぞき込むと、朧は唇を尖らせてむくれていた。
「なーに膨れてんだ」
「何でもないです。ちょ、どいて下さい」
身体をひねって背後に立つ雪男から逃れようとすると、突然両手を壁について退路を断たれて顔を上げる。
するとーー唇が触れ合うような距離で雪男の真っ青な目が心配の光に瞬いていた。
「俺に言えないようなことか?」
「・・・私にだって悩み事のひとつやふたつあります」
「そうだろうけど、ひとりで悩んで突っ走ったりするなよ。俺はお前の世話役なんだから何でも頼れよ」
・・・あなたのことで悩んでるんですけど?
ーーきっと雪男を睨みつけると、真っ白な雪男の頬をきゅっとつねって腕を潜って脱出し、自室へと逃げ込む。
「・・・??」
雪男、きょとーん。

