「・・・こっち見てる」
「見てるね。お前が綺麗になったから動揺してるんだろう」
「そうかな・・・。兄様、私がここに来れない間に雪男に言い寄る人は居た?」
「居るには居たけど、まあ俺が身を挺してどうにかなったよ。この貸しは出世払いでいいからね」
「兄様大好きっ」
ーー身を挺して何をしたのか気にはなったが、とりあえず女の陰はないと分かって安心した朧が朔に抱きついて頬ずりをした。
その弾みで倒れ込んだ朔はあちらこちらで“眼福”と言っては拝んでいる百鬼たちとぽかんとしている雪男と目が合って吹き出す。
「朧、お前は雪男がいつからあの姿のままなのか知っているか?」
「いいえ。いつからなの?」
「父様と出会って契約を交わした時にはすでにあの姿で、今まで変わっていないらしいんだ。ということは、あいつはずっと力を保ったままということだろう?あの冷えた美貌は力の証。俺も見習わなければね」
朔以上の美しき者を見たことはないが、雪男はそんな朔から見ても強く綺麗だということを知って嬉しくなった朧がまた頬ずりをして、見方によっては朧が朔を押し倒して見える状況に周りがざわざわする。
「兄様、一緒にお風呂に入ろ」
「え?俺はいいけど・・・」
「ちょ、待った!それはやめとけ。ちょっと背徳感がすごすぎるからさ・・・」
雪男の横やりに朧は唇を尖らせて起き上がり、居住まいを正して座り直した。
「じゃあ一緒にお昼寝して」
「いいよ」
また雪男が口を開きかけたが、元は仲が良すぎる兄妹なのでぐっと堪えて箒の柄を朧に向けた。
「昼寝の前に庭掃除手伝え」
「はい」
素直に返事をした朧が庭に降りる。
雪男から箒を受け取った時、少しだけ手が触れ合った。
ふたり黙ったまま落ち葉を掃いていたが、触れ合った指先の感触はいつまでも残ったままだった。
「見てるね。お前が綺麗になったから動揺してるんだろう」
「そうかな・・・。兄様、私がここに来れない間に雪男に言い寄る人は居た?」
「居るには居たけど、まあ俺が身を挺してどうにかなったよ。この貸しは出世払いでいいからね」
「兄様大好きっ」
ーー身を挺して何をしたのか気にはなったが、とりあえず女の陰はないと分かって安心した朧が朔に抱きついて頬ずりをした。
その弾みで倒れ込んだ朔はあちらこちらで“眼福”と言っては拝んでいる百鬼たちとぽかんとしている雪男と目が合って吹き出す。
「朧、お前は雪男がいつからあの姿のままなのか知っているか?」
「いいえ。いつからなの?」
「父様と出会って契約を交わした時にはすでにあの姿で、今まで変わっていないらしいんだ。ということは、あいつはずっと力を保ったままということだろう?あの冷えた美貌は力の証。俺も見習わなければね」
朔以上の美しき者を見たことはないが、雪男はそんな朔から見ても強く綺麗だということを知って嬉しくなった朧がまた頬ずりをして、見方によっては朧が朔を押し倒して見える状況に周りがざわざわする。
「兄様、一緒にお風呂に入ろ」
「え?俺はいいけど・・・」
「ちょ、待った!それはやめとけ。ちょっと背徳感がすごすぎるからさ・・・」
雪男の横やりに朧は唇を尖らせて起き上がり、居住まいを正して座り直した。
「じゃあ一緒にお昼寝して」
「いいよ」
また雪男が口を開きかけたが、元は仲が良すぎる兄妹なのでぐっと堪えて箒の柄を朧に向けた。
「昼寝の前に庭掃除手伝え」
「はい」
素直に返事をした朧が庭に降りる。
雪男から箒を受け取った時、少しだけ手が触れ合った。
ふたり黙ったまま落ち葉を掃いていたが、触れ合った指先の感触はいつまでも残ったままだった。

