初夏の朝ーー百鬼夜行から戻ってきた朔が寝ずに縁側で本を読んでいるのを不思議そうに見ていた雪男は、玄関で牛車が止まる音を聞いて首を傾げた。
それも・・・何だか知っているような知らないような・・・ただならぬ妖気を感じる。
「来たか」
「え?誰が?」
腰を上げた朔が玄関に向かい、それを雪男が追いかける。
屋敷の前に牛車で乗り付けるのは晴明しか居ないので朔が少し楽しそうにしているのが分からず草履を履いて外に出ると・・・
「はっ?おい主さまに何す・・・」
朔に抱きつく朱色の着物の女ーーただし朔の背中側に居たので何者か分からず、また稀有なことに朔も女の頭を抱いて顔を寄せていたのでさらに仰天。
「よく来たな」
「兄様、お久しぶりです」
「兄様って・・・・・・え・・・?いやいやそんな・・・嘘だろ・・・」
背が高くすらりとして細いが、胸ははちきれんばかりに大きく手足と頭は異常に小さい。
振り向いたその顔は間違いなく先代の血筋と分かるが、朔がこんなに心を許し、あどけなく笑ったその表情ーー
「お前・・・朧か!?」
「お師匠様もお久しぶりです」
絶句。
数年会わない間にただならぬ美女へと変貌を遂げた朧を見た雪男が後ずさる。
「お・・・大きくなったなあ・・・」
「思った以上に背が伸びたから嬉しいです。兄様、お団子作って来たの」
「ああ中に入ろう。しばらく泊まるんだって?」
「うん。兄様に話したいことが沢山あるの」
朧の肩を抱いて屋敷に戻っていく朔と、呆然と立ち尽くす雪男。
「面白くなってきた」
晴明に負けず劣らずの意地悪な笑みを浮かべた朔は、妹のために全力で罠を仕掛ける算段を考えながらにやけた。
それも・・・何だか知っているような知らないような・・・ただならぬ妖気を感じる。
「来たか」
「え?誰が?」
腰を上げた朔が玄関に向かい、それを雪男が追いかける。
屋敷の前に牛車で乗り付けるのは晴明しか居ないので朔が少し楽しそうにしているのが分からず草履を履いて外に出ると・・・
「はっ?おい主さまに何す・・・」
朔に抱きつく朱色の着物の女ーーただし朔の背中側に居たので何者か分からず、また稀有なことに朔も女の頭を抱いて顔を寄せていたのでさらに仰天。
「よく来たな」
「兄様、お久しぶりです」
「兄様って・・・・・・え・・・?いやいやそんな・・・嘘だろ・・・」
背が高くすらりとして細いが、胸ははちきれんばかりに大きく手足と頭は異常に小さい。
振り向いたその顔は間違いなく先代の血筋と分かるが、朔がこんなに心を許し、あどけなく笑ったその表情ーー
「お前・・・朧か!?」
「お師匠様もお久しぶりです」
絶句。
数年会わない間にただならぬ美女へと変貌を遂げた朧を見た雪男が後ずさる。
「お・・・大きくなったなあ・・・」
「思った以上に背が伸びたから嬉しいです。兄様、お団子作って来たの」
「ああ中に入ろう。しばらく泊まるんだって?」
「うん。兄様に話したいことが沢山あるの」
朧の肩を抱いて屋敷に戻っていく朔と、呆然と立ち尽くす雪男。
「面白くなってきた」
晴明に負けず劣らずの意地悪な笑みを浮かべた朔は、妹のために全力で罠を仕掛ける算段を考えながらにやけた。

