幽玄町の自宅へ帰り、両親と食事をしていると、おもむろに十六夜は朧をじっと見つめて口を開いた。
「ところで朧・・・そろそろ嫁に行っていい歳になったな」
「それが何か?」
「お前の兄や姉はお前の歳にはもう家を出ていた。・・・中には嫁も取らず放浪しているのも居るが」
「好きな人が居ます。だから嫁ぎません」
「・・・・・・」
きっぱり断られると、朧の好いた相手が相手なだけに不機嫌になると、席を立って庭に降りて煙管を噛む。
愛娘にあたることができず苛立つ十六夜に対して息吹が肩を竦めると、隣に座ってしゅんとしている朧の頭を撫でた。
「雪ちゃんと父様は犬猿の仲だから許してあげてね」
「うん。好きになってもらえる可能性は低いけど頑張ります」
息吹が元々大きな目をさらに大きくして驚く。
娘は驚くほど綺麗になり、またその努力も怠らなかった。
こんな綺麗な子を蔑ろにするならば、雪男には女を見る目がないということ。
「変な心配しないの。朔ちゃんにはもう話は通してあるから、頑張ってきなさい」
「うん」
紅を引かずとも真っ赤に熟れた唇がふわっと和らぐ。
そして突然ころんと寝転がって息吹の膝枕をねだり、庭でちらちらこちらを見て気にしている風な十六夜に笑いかけた。
「絶対諦めないんだから」
言霊が静かに夜空を震わせる。
「ところで朧・・・そろそろ嫁に行っていい歳になったな」
「それが何か?」
「お前の兄や姉はお前の歳にはもう家を出ていた。・・・中には嫁も取らず放浪しているのも居るが」
「好きな人が居ます。だから嫁ぎません」
「・・・・・・」
きっぱり断られると、朧の好いた相手が相手なだけに不機嫌になると、席を立って庭に降りて煙管を噛む。
愛娘にあたることができず苛立つ十六夜に対して息吹が肩を竦めると、隣に座ってしゅんとしている朧の頭を撫でた。
「雪ちゃんと父様は犬猿の仲だから許してあげてね」
「うん。好きになってもらえる可能性は低いけど頑張ります」
息吹が元々大きな目をさらに大きくして驚く。
娘は驚くほど綺麗になり、またその努力も怠らなかった。
こんな綺麗な子を蔑ろにするならば、雪男には女を見る目がないということ。
「変な心配しないの。朔ちゃんにはもう話は通してあるから、頑張ってきなさい」
「うん」
紅を引かずとも真っ赤に熟れた唇がふわっと和らぐ。
そして突然ころんと寝転がって息吹の膝枕をねだり、庭でちらちらこちらを見て気にしている風な十六夜に笑いかけた。
「絶対諦めないんだから」
言霊が静かに夜空を震わせる。

