「お師匠様、なんで怒ってるんですか?」
朔の教えに従い、雪男を“お師匠様”と呼んで敬語を使う朧にどこか不満げな視線を返した雪男は、閉じた扇子で正座している朧の膝を叩いた。
「集中しろ。念が雑になってるぞ」
「はい」
朔が自室で短い眠りに落ちている間に修行をつけてもらっていた朧が目を閉じる。
最近は質問責めもなく、大人しすぎて逆に心配になっていたが、先程朔に見せた笑顔はいつもの朧だった。
何がどうして自分の前ではなりを潜めるのかーー考えても答えが出ない。
「俺少し寝るから続けてろよ」
「はい」
ふてくされて朧に背を向けてごろんと横になる。
妖は昼間に寝るので雪男も例外ではなく、すぐに睡魔がやってきて本当に寝てしまった。
しばらくすると空気が動く気配がしたが気にせず寝ていると・・・
ひやり。
額に冷たい感触がした。
瞼、頬、髪ーー次々に触れていく小さな手ーー朧だ。
ご丁寧なことに火傷しないように手を冷やす周到さににやけそうになり、頑張って耐える。
起きてしまえば朧はきっと離れて行ってしまうだろうから。
ーー言葉は発してこないが朧に間違いなく、今度は添い寝するように脇に潜り込んでじっとしている。
動いたら負け。
こうして甘えてくるのはどの位ぶりだろうか。
この時間が心地良く、気付いたらまた寝ていて朔に蹴飛ばされ、既視感満載で飛び起きた。
朔の教えに従い、雪男を“お師匠様”と呼んで敬語を使う朧にどこか不満げな視線を返した雪男は、閉じた扇子で正座している朧の膝を叩いた。
「集中しろ。念が雑になってるぞ」
「はい」
朔が自室で短い眠りに落ちている間に修行をつけてもらっていた朧が目を閉じる。
最近は質問責めもなく、大人しすぎて逆に心配になっていたが、先程朔に見せた笑顔はいつもの朧だった。
何がどうして自分の前ではなりを潜めるのかーー考えても答えが出ない。
「俺少し寝るから続けてろよ」
「はい」
ふてくされて朧に背を向けてごろんと横になる。
妖は昼間に寝るので雪男も例外ではなく、すぐに睡魔がやってきて本当に寝てしまった。
しばらくすると空気が動く気配がしたが気にせず寝ていると・・・
ひやり。
額に冷たい感触がした。
瞼、頬、髪ーー次々に触れていく小さな手ーー朧だ。
ご丁寧なことに火傷しないように手を冷やす周到さににやけそうになり、頑張って耐える。
起きてしまえば朧はきっと離れて行ってしまうだろうから。
ーー言葉は発してこないが朧に間違いなく、今度は添い寝するように脇に潜り込んでじっとしている。
動いたら負け。
こうして甘えてくるのはどの位ぶりだろうか。
この時間が心地良く、気付いたらまた寝ていて朔に蹴飛ばされ、既視感満載で飛び起きた。

